カテゴリー「文化・芸術」の261件の記事

2013.04.30

起き上がりムンクは絶品

 印象的で一度見ると絶対に忘れることのできない「叫び」でお馴染のムンクが今年生誕150年とかで、先日、東京で記念イベントがあったようだ。そのイベントで、福島会津の民芸品・起き上がり小法師とのコラボとして、起き上がりムンクが作られ、限定販売されたらしい。

 そんなことを出勤前に付けていたTVで知った。

 小物としては非常に気の利いたもので、「叫び」と云う希有な素材を見事に料理していると思う。当然のように欲しくなり、その朝の出勤後、始業までのうちに通販先を見つけ出して注文してしまった。

 大きさは3.5cmと7cmの2種類。色は黒・赤・緑・青の4種類があるようだ。あたしは大小の2セットのものを黒と赤で入手したのだが、図柄は手書きなので、いずれも表情が異なる。

 大きいものを倒すと下が平べったくなっているので、ぎこちなく起き上がるが、小さいタイプは半球なので恐ろしく勢いよく起き上がる。何ともユーモラスな小物である。

 気に入ったので、小さいのを4つセットになっているのを追加注文してしまった。

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2012.06.22

「怪談の日」制定

 稲川淳二の怪談トークライブ『ミステリーナイトツアー』20年連続公演の功績が認められ、8月13日が『怪談の日』に制定されたらしい。いやいや、ひとりの芸人の業績で記念日が制定されるのも、どんなものかと思ったりもするのだが、これまで怪談という日本文化がないがしろにされていたのも、不思議な話である。

 怪談というと、以前は小泉八雲とかの民族学的、文学的なものが主流だったような気がするが、近年は実際に体験された怪異をもとにする実話怪談がほとんどを占めるようになってきたように思う。稲川淳二の話はすべてが実話ではないようだが、彼の有名な怪談「生き人形」はかれこれ、その経緯が節々に語られるという実話怪談である。

 この最近の怪談ブームは「新耳袋」によるところが大きく、これがなければ、「怪談の日」もなかったと思う。

 とにかく、最近はネットラジオでも怪談流行りで最低でも週に一度は怪談語りの番組があって、逐一録音し、楽しませて貰っている。まぁ、これもずっーと聴いていると慣れてしまって、なかなか怖くなれないというのが問題なのだが、それでも何とはなく聴いてしまうのである。

 しかし、今回、記念日を制定している日本記念日協会というのがあるのを初めて知った。まぁ、ここにあるような記念日は「サラダ記念日」とそう変らないものだと思うけど、それでも関心ある全国の皆が一斉に注目するのは面白いことである。

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2010.05.02

二玄社編集部 編「大書源」(07)

 我ながら見境のない自分の凝り性には辟易してしまう。

 先日、書体字典「新書源」を購入したばかりなのだが、やはり親本の「大書源」が欲しくなってしまい、結局、購入に至ってしまう。

 5万円という価格なのだが、それでも十分にその価値はあると、書の素人でも十分に判るようなスケールの大きな書物である。

 とにかく、見ているだけでもぞくっとするような感じなのである。書なんて、本当に縁遠い生活を送っているのだが、こうやって見せつけられるとその奥深さには驚かされてしまう。書は宇宙という気さえする。

大書源
大書源

出版社: 二玄社
ISBN-10: 4544120047
ISBN-13: 978-4544120042
発売日: 2007/03
商品の寸法: 44.2x30.8x15.6cm

 DVDが同梱されていて、字典の各ページが画像データとしてPDF化され、3034ページすべて収録されている。そのままのデータなので、別冊の索引を引いて、目的のページのファイルを開くという作業をしなければならない。使い勝手がよろしくないと云えばよろしくないのだが、著作権というのを考えると、これ以上ファイルでの使い勝手をよくしてしまうと違法コピーがまかり通って、かなりの損害になると考えられる。これが精一杯出来ることではないのかと思う。

 とは言うものの、PDFから画像として部分コピーしてワードにでもペーストすると、いくつもの字がそのまま扱える訳で、これが出来るのと出来ないのとでは雲泥の差ではないかと思う。

 「新書源」は手軽さ、「大書源」は膨大な例ということで、両方もっておいても損はないと思う。

 いやいや、毛筆が本格的にやりたくなりました。

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2009.03.22

フジテレビ開局50周年記念ドラマ特別企画 黒部の太陽

 昨日今日と2夜ちゃんと見たのだが、まぁ、期待はしていなかったが、思っていた通りの出来になっていた。

 まずトンネル掘削工事の親方を香取慎吾が演じられると思っていることが不思議でならない。多少元気はあるかもしれないが、ああいう坊っちゃんにやらせることが妥当と判断した制作サイドの良識を疑う。10億という制作費をドブに捨てるのはどうしたものか。「クライマーズ・ハイ」のようなNHKドラマを見ていると民放ドラマのいかにも商業主義的なところが鼻について仕方ない。開局50周年記念などというものを冠して、劣悪なものを作るのはどこの局かよく覚えておくとしよう。

 このダムは高校の修学旅行で行ったことがある。近場にもダムがあるのだが、それとは比べようのない大きなものだった。こんなものを山を切り拓いて道を作るところから始める人間には恐いもの知らずと云うことで本当に恐れ入る。

 ということで、戦前の黒部第三発電所に係るトンネル掘削を題材にした、こちらを発注。

高熱隧道
高熱隧道

吉村 昭 (著)
文庫
出版社: 新潮社; 改版版
ISBN-10: 4101117039
ISBN-13: 978-4101117034
発売日: 1975/10
商品の寸法: 14.6x10.6x1.2cm

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2008.05.14

リバーダンス

 もともとタップダンスは好きで、一般的に駄作と云われているもの、コッポラの『コットンクラブ』のラストのタップシーンなんて固唾を呑んで見ていたものだが、アイリッシュダンスはさらに上を行くかもしれない。基本的にタップダンスなのだが、常に上半身は直立不動であり、その佇まいが実に優雅なのである。

ベスト・オブ・リバーダンス
ベスト・オブ・リバーダンス

出演: ジーン・バトラー, マイケル・フラットレー
形式: Color, DTS Stereo, Widescreen
ディスク枚数: 1
販売元: コロムビアミュージックエンタテインメント
DVD発売日: 2008/05/14
時間: 204 分

(ジャケットを拡大)

 ひとステージ、長くても10分程度なのだが、運動量としては凄いのだはないかと思う。あまりにも足の動きが早いので、ただただ優雅に宙に浮いているようにみえる時もある。とにかく凄いとしか云いようがない。

 バックミュージックのアイリッシュ音楽も申し分ない。

 本編をざっと見ただけだが、しばらくBGVになるかも知れない。

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2008.02.24

金森達『金森達SFアート原画集』(08)

 少年少女講談社文庫(の「地球最後の日」の表紙、さし絵を担当した金森達の原画集を買う。

金森達SFアート原画集
金森達SFアート原画集

金森 達 (著), 大橋 博之 (編さん)
単行本: 175ページ
出版社: ラピュータ (2008/01)
ISBN-10: 4947752815
ISBN-13: 978-4947752819
商品の寸法: 21x15.2x2cm

(表紙を拡大)

 前半はコンビを組んだと云う光瀬龍作品の挿し絵を年代順に集め、後半ではその他の作家に対するものが同じく年代順に集められている。

 個人的には不満かなぁ。何とはなくだけど、中途半端な感じがしてならない。初めての作品集ということらしいのだが、確かに40年に渡る活動というのは長いもので、作品も膨大なものになるのだろうけど、見るからに駆け足でじっくりと鑑賞するには至らない。

 しかしこの人のイラストというのは統一された色づかいが見事で、また詳細が省略されることで奥行きを齎せる。小さなひとつのカットで壮大なドラマを作り上げると云う技術にはやはり驚かされる。

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2008.01.29

舟越桂『立ちつくす山 Mountain Standing Still』(01)

 『森へ行く日 THE DAY I GO TO THE FOREST』(92)に続く、舟越桂の二番目の作品集を入手。前作が92年までの全作品を収録し、今作ではそれ以降の00年までの全作品を収録している。

立ちつくす山―舟越桂作品集
立ちつくす山―舟越桂作品集

舟越 桂 (著)
大型本: 159ページ
出版社: 求龍堂
ISBN-10: 4763001086
ISBN-13: 978-4763001085
発売日: 2001/03
商品の寸法: 29.6 x 22.6 x 2 cm

(表紙を拡大)

 『遠くからの声―舟越桂作品集』(03)(豊浦正明(写真))と異なって第一作品集と同様、ストレートな写真で構成されている。やはり作品をキチンと鑑賞するのには変な細工があってはダメである。一連の作品を知るのにはやはりベストな資料だろう。

 ドキュメンタリ映画・藤井謙二郎『≒舟越桂 near equal funakoshi katsura』(04)で舟越本人が語っていたように、90年代半になると、それまでモデルに対して忠実な再現を行っていたものが、イメージを具現化した抽象的な表現も可能であると、多様性を持ち始める。顔に対する表現は相変らずリアルなものなのだが、顔の後ろにも顔があるとか、二つの頭が並ぶ、また、腕がパーツとして寸断された状態で取り付けられるといった実に抽象的な様相を持つ。映画では、その不可解なイメージに対して「一応、理屈は判っているんだ」と云っていたが、それでも全部が全部、意味として把握できていないものもあるようだった。

 表現において制限と云う枷がなくなれば、作者には新たな価値を作ることが楽に出来るかもしれないが、あたしとしてはどちらかと云えば、抽象に走り始めた舟越の作品はあまり好みでなかったりする。簡略化された体とリアルな顔というスタイルが非常に面白く、その制限の中で微妙に個性を光らせると云う技術が好きだったのだが、あまり自由になられるとイメージの世界に逃げ込むような感じがあって、下手すると興醒めしなくもない。随分と微妙な領域に入り込んでしまったな、と思ってしまうのである。

 まぁ、作品は作者によって作られるものだから、こちらはそれを静かに観ているしかない。

 もうしばらくこの人の作品を探ってみようと思う。

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2008.01.27

KATAN DOLL RETROSPECTIVE THE BOX <DVD付>(KATAN RETRO BOX)

 先日の『KATAN DOLL THE BOX』に続いて注文していた『KATAN DOLL RETROSPECTIVE THE BOX <DVD付>』が届く。まぁ、安くはないが、気になるところがあるから仕方ない。

 これは1992年刊の『KATAN DOLL RETROSPECTIVE―天野可淡作品集』の復刻改訂版にあたるが普通版はソフトカバーで、この特装版は本体がハードカバーで函がついている。この写真が函になるのだが、可淡の描いた画がデザインされたものだ(クリックで表紙・背表紙・裏表紙を表示)。また、写真を撮った吉田良による作品解説・特典ブックレット「天野可淡の宇宙」と1995年にリリースされた150枚の写真を収めたCD-ROM写真集「カタンドール 天野可淡人形作品集」をDVDに再編集した特典DVD「KATAN DOLL DVD」が付く。

 この特装版は復刊ドットコムや出版元のエディシオン・トレヴィル等でのみ、入手可能となっている。

カタンドール・レトロスペクティヴ―天野可淡人形作品集
カタンドール・レトロスペクティヴ―天野可淡人形作品集

天野 可淡 (著), 吉田 良 (写真)
単行本: 223ページ
出版社: エディシオン・トレヴィル
ISBN-10: 4309907555
ISBN-13: 978-4309907550
発売日: 2007/12
商品の寸法: 24x18.4x2.6cm

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2008.01.22

藤井謙二郎『≒舟越桂 near equal funakoshi katsura』(04)

 製造元でしか発売していないんかな、通販では全く流通していないドキュメンタリ映画のDVDをオークションで落札する。

 「≒(ニア・イコール)」という変った芸術家を追うドキュメンタリシリーズがあるらしく、「≒森山大道」、「≒会田誠」に続く第三弾が、この「≒舟越桂」である。

 先に買った書籍でみる舟越の顔は怖い。三島由紀夫の眼つきを悪くしたような感じで、残念ながら写真でみる限りは神経質そうな印象が否めない。

 ドキュメンタリは一体の人形を作り始めて完成するまでを追う。純粋な製作期間は1月くらいだったけかな。日付がクレジットされる。完成して、タイトルがつくまでにもうしばらく。その間の様子が1時間40分に渡って描かれる。

 舟越は気さくによく喋る。顔は怖くなくはないけども、口笛を吹きながら彫っているのをみると単なるおっさんにしか見えない。

 あの人形の作成過程も興味深いし、また、舟越の気楽な喋りもなかなか奥が深い。あの印象深い目の作り方や、頭の形のとり方については驚きがある。とにかく彫って彫っての作業ばかり。いやはや、お疲れ様だと思う。

 作っている姿は本当に作業姿。疲れるとTVを眺めたり、全然特殊ではない。舟越桂・豊浦正明(写真)『遠くからの声―舟越桂作品集』(03)は?

 とにかく肩に力が入らず、でも引込まれるようにして見入ってしまった。ラストの舟越氏のスケボー技。驚いた。本人曰く、「コワイ人だと思われているらしい」。笑った。

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2008.01.18

舟越桂・豊浦正明(写真)『遠くからの声―舟越桂作品集』(03)

 ヤフオクで1,000円(+送料160円)にて取得。いやぁ、廉価で手に入れられてつくづく良かったと思う一冊。

遠くからの声―舟越桂作品集
遠くからの声―舟越桂作品集

舟越 桂 (著), 豊浦 正明
単行本: 159ページ
出版社: 角川書店
ISBN-10: 4048536761
ISBN-13: 978-4048536769
発売日: 2003/08
商品の寸法: 17.4x12.8x1.6cm

 豊浦正明という写真家は知らないが、残念ながら、あまり好きなタイプの写真を作らない人のようだ。フィルムのエッジまでプリントする。フィルムに傷を付けて加工する。色のバランスを崩してカラープリントする。といったような、小手先だけの写真ばかり。オーソドックスでも対象を見透かしてしまうような怖さを持った鬼海の写真を見ていると、この著書の写真家は残念ながら写真というものを持て余してしまっているような気がする。

 写真の間に桂氏の制作中に書いたと云う直筆の抽象的なメモが挿入される。さらに装丁があのナルシスト祖父江バカときている。

 企画の段階で失敗したと云う書籍か。舟越桂『森へ行く日 THE DAY I GO TO THE FOREST』の方がはるかに好感が持て、見応えがある。

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