スティーヴン・スピルバーグ「未知との遭遇」(77)
スピルバーグの「未知との遭遇」のBDを購入して鑑賞する。一応、何年か前にDVDを買っていて、見ることは可能なのだが、今出ているBDはこれまで公開されてきた主だった3つのバージョンが収録されているようで、見比べを行いたかったのである。
未知との遭遇 スペシャル・エディション 監督: スティーブン・スピルバーグ |
この映画とも長い付き合いで、劇場公開されたのは中学に入る寸前の小6の冬だった。意味深なTVCMが流れていて、内容の詳細は判らなかったのだが、宣伝で用いられている音楽がハードな感じなものだったので、怖い映画なのだろうとずーっと思い込んでいた。小学生のガキが自由に映画なんぞ見に行ける訳がなく、友人が買ったサントラテープに聞き入るばかりだった。
当時はレンタルDVDどころではなく、ビデオのレンタルもまだ普及していなかった頃の話で、この映画をようやく見ることになったのは、大学の学祭で、だった。映研に所属していたのだが、学祭実行委員会から青空上映の依頼があった。日没直後にグランドに誂えた大スクリーンに映画を上映するというイベントで、一般的に見やすいプログラムとしてこの作品を選んだのである。上映会の前日にフィルム点検のための試写をサークルのメンバーの下宿で行い、フィルム上映ながらTVよりも小さなサイズで初見することになった。
スピルバーグの中では比較好きな作品に入るのだが、何年かぶりに見直して感じたのが、これほど現実離れした映画も珍しい、ということだった。いや、そもそもがSFなので現実離れしているのは当然なのだが、主人公が普通の社会と接点がほとんどない状態で話が進むので、浮遊したままの、なんとも居心地の悪い状態のまま終わってしまう。こんな感じだったかなーと、改めて思った。あたしとしては、あの音楽を使っての宇宙人とのコンタクトシーンが見どころで、この映画はミュージカル映画だったのかもしれないともおもった。主人公がそのまま宇宙に行ってしまうし、メルヘンと云えばメルヘンなのだけども、あまりにも軽すぎる。いかにもスピルバーグらしい。永遠の映画小僧のトリュフォーの起用も、なんとも本気でなさそうな雰囲気が漂う。
初見の時、オープニングの砂漠のシーンが妙にリアルに感じたのが懐かしい。ああいう砂嵐の場面って、そんなにないものであるし。海外ロケとの差があるのは、撮影監督とかかが第2クルーとかで代わりにやっていたりするからか。
学祭での青空上映はこの時期の開催で、風も強く、途中でスクリーンはまくれるし、寒いしで、夏場以外にこのような企画は行うものではありません、ということだった。
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