訃報 渡辺 淳一
作家の渡辺淳一の訃報が入ってきた。
渡辺淳一の小説は10代の終わりから20代初めによく読んでいた。もちろん恋愛小説として読んでいたのだか、読むにつれてつまらなくなっていった。どうにも底が見えてしまって、読もうという気になれなくなってしまった。
同じ頃に傾倒したのが吉行淳之介だった。彼もよく男女の仲を題材にして小説やらエッセイを書いていたが、いまだに彼を超える名エッセイストはいないと思っている。吉行は淫靡ではあったが、はかなさと気風の良さを持ち備え、何とも云えぬ魅力があった。一方、渡辺は医学者出身ということもあってか、妙に権威づいたところがあり、作家としては奥行きがいまひとつ感じられなかったのだ。
しかし、渡辺の小説の多くは映画化され、何本かは見たのだが、やはり物足りないものだった。公開当時には話題になるのだが、そのあとは残ることの難しい作品であると思う。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 電子書籍は苦手(2015.04.27)
- 訃報 渡辺 淳一(2014.05.05)
- 本日入荷の積ん読素材-「つげ義春の温泉」(2014.02.04)
- 本日入荷の積ん読素材-「日本の民家一九五五年」「独裁者のためのハンドブック」(2014.01.21)
- 最近入荷の積ん読素材「家族喰い―尼崎連続変死事件の真相」(2014.01.14)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント