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2014.01.24

生かすも殺すも言葉

 人間のやりとりがあるところでは、どうしても何らかの衝突が生じる。それをお互いが明らかにして、敵意を見せるとバトルになる。

 ニフティサーブのような個人の特定できるIDを使用したパソコン通信でもバトルはしばしば発生した。シスオペと云う掲示板を管理する人間がいたものの、発言メンバーを制御出来なかったり、あえて放置したりすることもあった。手に負えない発言者には利用制限を行い、排除を行った。また、名誉毀損の裁判に持ち込まれたケースもあった。

 あたしはそのようなことが存在すると知らずに、パソコン通信で発言を楽しんでいたのだが、ある人の発言に対してレスをしたため、バトルになってしまった。ネットをやり始めて3月くらいのことだったと思う。その人というのは、ニフティのパソコン通信をしていた人なら大抵の人が知っているという、猫が好き♪氏だった。自然環境フォーラムのシスオペをしていて、パソコン通信の早い時期から活動をしているような人である。

 この人のやり方と云うのは、自分の意見を批判するような人に対してはことごとく反論を行って論破し、言論を封じてしまうというものだった。基本的に自分と考えを異とするものは許せない、といったような態度で、その議論には大して意味のあるようなものではなったと思う。この時はあたしもオーバーヒートしてしまったと記憶している。ログを残していないので詳細は判らないが、ニフティが発行していた機関誌のコラムでこのバトルが取り上げられていて、新人さんをあまりいぢめちゃいけない、なんて書かれていたから、傍目にも余程、ひどいものだったはずである。

 まぁ、あたしはそこでバトルに惨めにも負けてしまったのだが、それに臆することなく、そこで親しいメンバーを作って、あたし以外の本土のメンバーは実際に集まり、あたしはチャットで参加と云うオフ会をするなんてこともあった。

 それ以降、ニフティのパソコン通信が廃止になるまで10年近く利用を続けてきたのだが、バトルに巻き込まれたのは、その後、1回だけである。話が平行線になると判ると早々に離脱することにしていたのだが、相手はそうもいかないようでメールで「調子に乗るな」なんていうようなことを云ってきた。もちろん放置である。こういう表舞台以外のところで、なにやかにやと云ってくる輩が一番気持ち悪い。

 今ではネットも際限なく大きくなり、常にどこかで炎上と云われるものが生じているが、パソコン通信のような管理された中ではそれほど頻繁でもなく、バトルウォッチャーと云われるひとが提供してくれるバトル情報をもとに、火事場見物をするのが通であった。炎上は複数の人間による袋叩き行為で、いわゆる一対一のバトルとは趣向がことなり、えげつないのひと言に尽きる。

 バトルについてはそんな感じで馴染みのあるものなのだが、最近、ひどいものを見かけた。これは実はバトルではなく、撹乱が目的での発言かもしれないが、夜通し、人間の体力を最大限使って、同じことを延々と主張するといった行為は初めてみた(リンク先の表示が化ける場合は、エンコードを日本語(シフトJIS)に設定してください)。どういう生活をしている人なのか判らないが、普通の社会人の生活とは違ったような生活を送っているのだろう。凄いものを見せて貰ったと思う。

 先の論客の猫が好き♪氏だが2年程前に53歳で食道がんで亡くなったらしい。彼のブログを見ると、亡くなる半年前には首の筋肉を冒され、その痛みのためにモルヒネを服用していたようであるし、病院に薬を取りに行った際、急遽、入院となり、その一週間後に亡くなったという(娘さんによる死亡報告)。散々痛めつけられたバトラーでもこんな風に亡くなると、やはり可哀相に思うのである。

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