使えないシステム
業務用システムをパッケージで導入するとろくなことがない。今は費用削減でパッケージであることが優先されるが、使えないシステムを使わされる人間の身にもなってみろ、ということになる。
あたしが電算業務を担当していた頃は、パッケージではなく、委託開発をしていた。仕様についてすべてこちらで検討し、それをシステム構築を依頼していた。GUIではなくキャラクターベースの頃のオンラインシステムで、画面設計もすべてこちらで行い、この画面なら何桁のデータが表示できるか、設計図を書いてSEに仕様書として手渡していた。データベースのテーブルのレイアウトも最終的な決定はこちらで行い、管理項目を増やさないといけない場合は、どの箇所を読み替えに使うか、といったところまで考えさせられた。管理システムの入力項目についてもエラー要件設計もすべて考え、そういった仕様書は5、6cmの厚さになった。
一般の部署の人間がいきなりその部署のシステムについて、プログラム以外について深いところまで関らせられる訳だから、勉強するというより、もともと素質があって好きだとかでなければ、通用しない。そういう人間はそんなにいないし、見つけられるとなかなか異動は困難である。あたしは7年いて、後任も同じかそれ以上長く残留させられた筈である。
ということで、現場を知らないメーカーの人間が作ったシステムと云うヤツなのだが、動きはするものの、使えない。
システムを作るのには、一般的な業務に関する制度について精通している必要がある。これは動くという意味で、最低限の話である。何をするのかはます、踏まえておくべきことである。次は、どう使うのかということである。これにはデータの取扱件数、データを扱う人間の数、データ処理の頻度を考慮する必要がある。役場で使われるシステムは法に則ったものが多く、全国共通なことが多いのでパッケージにし易いのだが、自治体の規模が異なると事務のやり方が全く異なってくる。規模が何十倍も変わると、事務のやり方の質が全く違ってくる。
最近のシステムは昔のキャラクタベースとは異なって、随分美しく画面構成をしてくれるのだが、入力かコードによるものでなく、プルダウンメニューから選ぶようになっていたりする。いやぁ、実を云うと業務系端末でプルダウンメニューなんてあり得ない。コードを宙で覚えていて、入力を進めても、それでも時間が足りない時がある。それをAlt+↓でメニューが開くにしても、選ぶこと自体が馬鹿馬鹿しい。初心者にも使いやすいシステムをということであれば、コード入力の横にブルダウンメニューを設けて併用にすべきである。
ユーザーは始めは素人かもしれないが、そのうちに慣れて、スピードを求めるようになるものである。それを初めから無視して、見た目判りやすいというのを目指したシステムは結果的に使いにくいものになってしまう。現場を知らずに作られたシステムほど痛いものはない。
あたしがそのシステムが優れているかどうかを判断するのは、まずはキーボードだけで操作が可能であるように作られているかどうかと云うことである。あたしが作るものも基本的にはマウスを使わずに操作できることに留意し、おそらく9割の処理においてそれが可能になっていると思う。それはいかに業務的に使い易いかを意図したシステムであり、始終マウスを転がさなければならないようなものは、ただ単に作っただけの代物でしかないと思っている。
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