« トニー・リチャードソン「ホテル・ニューハンプシャー」(84) | トップページ | 公益社団法人 日本缶詰協会「缶詰ラベルコレクション」(12) »

2013.07.02

柿田清英「軍艦島 超景」(13)

 先月末に軍艦島の写真集が出ていたようなので、さっそく入手する。

 柿田清英氏による写真を集めたものだが、彼は以前に『崩れゆく記憶―端島炭鉱閉山18年目の記録』(93)という写真集も出している。実を云うと柿田氏は11年に61歳で亡くなっており、今回の写真集は第三者によって編集されている。

 柿田氏は水中スクーターを用いて100回以上軍艦島に上陸し、軍艦島のあらゆるシーンを撮ったという。

 今回の写真集を手にとって感じたことは、違和感しかなかった。これまでの軍艦島の写真集とは明らかに違っているのだが、それでも何とも云えぬ表現し得ぬものがある。編者の趣味なのか、廃墟としての島と云う印象があまりに強い。何らかの趣きを感じる前に即物的な廃れた光景のみが目について仕方ないのである。

 オープニングに荒波に島全体が飲まれる写真があり、防波堤が壊れるのも無理はないと知る。こんな中に住んでいたひとは時化の日、どれだけ怖かったろうと思う。また写真集の最後は、軍艦島の夜景が選ばれている。なかなか夜景はなく、夜景専門の軍艦島写真集の雜賀雄二『月の道-海 月光 軍艦島-』(93)や、その他で何枚か見かけたくらい。静かな佇まいは妙な安らぎを感じる。残念だが、感慨深く感じるのはそれらの写真くらい。

軍艦島 超景
軍艦島 超景

柿田清英 (著), 黒沢永紀 (監修), ワンダーJAPAN (編集)
単行本: 136ページ
出版社: 三才ブックス
ISBN-10: 4861996031
ISBN-13: 978-4861996030
発売日: 2013/6/26
商品パッケージの寸法: 23x18.2x1cm

 個人的にはなんとも残念な仕上がりになってしまっているように思えて仕方がない。柿田氏は撮ったデジタル映像にセキュリティロックをかけたまま亡くなったようで、サルベージできた一部の写真からこの写真集をおこしたとのこと。撮影者の柿田氏ならどのような写真集にしたのだろうか。それが見られられないのが残念である。

|

« トニー・リチャードソン「ホテル・ニューハンプシャー」(84) | トップページ | 公益社団法人 日本缶詰協会「缶詰ラベルコレクション」(12) »

軍艦島・同潤会アパート」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/90327/57713063

この記事へのトラックバック一覧です: 柿田清英「軍艦島 超景」(13):

« トニー・リチャードソン「ホテル・ニューハンプシャー」(84) | トップページ | 公益社団法人 日本缶詰協会「缶詰ラベルコレクション」(12) »