デヴィット・リンチ「デューン/砂の惑星」(84)
先月、本家Amazonで注文したリンチの「デューン/砂の惑星」が届く。2週間程度での到着である。1回の発送につき$2.99、一商品につき$1.29という送料で、3つのディスクを注文したので、一つにつき222円ということになる。安い。今回の購入額は送料を含めて、1,149円だった。
このディスクには残念ながら日本語字幕が入っていない。一度、字幕つきで観ておけば、問題ないという感じの作品である。
Dune Actors: Kyle MacLachlan, Jose Ferrer, Max von Sydow, Linda Hunt, Sting |
というもの、このBDで観て驚いたのだが、すでに持っていた一番初めにリリースされたDVDとはまったく別作品に見えるのだ。とにかく、DVDの出来が酷すぎるのだ。色は全体的に緑がかっていて、色フィルタ越しに映像をみているように感じる。また、滲みがひどくディテールが全く見えていなかったことが判った。HDリマスター版はどのような感じか知らないが、初版DVDを持っているなら、それはまともなものではないと思うべきである。
一皮剥けて、実にさっぱりしたBD版だが、細部が目について、やや出来の悪いところも見えなくはないのだが、それでも美術の素晴らしさにあらためて思い知らされる。凝りに凝った設定で、これは中途半端ではない。原作の物語が完全に咀嚼されていないと悪評を買っているのだが、これは映像を観ているだけで十分に楽しめるのである。だから、日本語字幕があるとかないとかは、そう大した話ではないのである。
リンチの映画の多くはその難解なストーリー性において魅了されることが少なくないが、彼は間違いなく映像作家である。それは、デビュー作の「イレイザーヘッド」を観れば判ることなのだが、ごく普通のドラマさえ、映像を際立たせる。このもう一つの歴史を描いた作品では、話がどうのこうのというのを置いておいて、そのまま世界観を堪能するべきである。独創的と云えば、リドリーのブレードランナーやエイリアンがあるが、現実世界の延長であるし、リンチのこの作品はSF映画の金字塔のひとつとして認めるのが正しいのではないかと思う。
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