トム・シックス「ムカデ人間2」(11)
ソフトが他のものと比べてやや割高なので購入を躊躇っていたのだが、やはり注文、発売日に到着した。
前作の「ムカデ人間」もかなりの悪評だったが、作品的には真面目に作られたもので、演出も好感が持てた。内容的には悪趣味なのだが、悪趣味を真剣に撮ろうという姿勢は非常に評価できる。変態が単に変態作品を録ったという訳ではない。
ムカデ人間2 監督: トム・シックス |
今回の作品は前作よりも内容がエグくなったので白黒で撮られている。白黒映像はコントラスト等難しく、丁寧に作らなければ見られたものではないのだが、実に本作は美しく撮られていて技術的にも素晴らしいと思う。主人公と母親が自宅のアパートでやりとりするシーンは、デビット・リンチの「イレイザーヘッド」のオマージュではないかという感じすらあったのだが、監督のシックスはインタビューでリンチは好きな監督でだが、特にマネたわけではない。「イレイザーヘッド」と似ていると云われるのは嬉しい。と云っている。
メイキングが収録されているが、実に健全な撮影光景である。こんな風にして撮影されていたのかと知ると本編とのギャップが激しいので、絶対に先にメイキングを見ないように勧める。ちなみにメイキングも白黒で撮影されている。血と糞尿まみれの現場がどんなにおぞましいか想像できない。
内容としては極端なものであり、観客を選ぶと思われるのだが、あたしには十分に許容範囲内にあり、更にエスカレートしているという次回作に期待している。リンチの「イレイザーヘッド」程ではないが、若いうちに見ると一生忘れられない作品になると思う。
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