訃報 大島渚
またしても、この人も逝ってしまったのか、という感がある。この10年はほとんど姿を見ることはなかったが、あたしにとっては映画監督と云うより知識人的な役割でTVに出演している姿の方が印象に残っている。
監督作品は少なくないが、あたしが見たのは2本だけである。一本は「青春残酷物語」でもう一本は「戦場のメリークリスマス」だった。
戦メリは高校生時代に公開時に見た。普段はそんなにつるんで遊ぶということのない同級生3人と一緒に観に行こうという話になって、映画館の近くの街なかに住む友人の家に集まった。市街地の良いところにあるテナント持ちビルの上階2階が自宅で、最上階に友人の部屋があった。オールナイトを観に行くと云うことで、手荷物を友人宅に置いて映画館に行った。夜半に映画が終わり、友人宅に戻ろうとしたのだが、鍵がかけられてしまって中に入れず、締め出しをくらってしまった。
週末の早朝、雨も振りだし、アーケード街で雨はしのげるものの、肌寒い。当時はコンビニのようなものはなく、市街地の商店街といえど、開いているような店は全くなかった。あてもなくぶらぶらするしかなかった。そんな中でドーナツ屋が比較的早い時間から開いているのを見つけ、皆で飛び込む。腹拵えをしつつ、さらに友人の家族が起きる時刻まで完徹で時間を潰した。そんな経験が高校の頃にあった。
彼らと遊んだのはその時だけで、何とも不思議な感じである。
だから、大島と云うと、やだねぇ、と思いつつ、雨の降る曇りを見上げる早朝と云うのをすぐに思い出してしまうのである。
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