時計工房に行く
去年の春に修理に出したスピマス・デイデイトは、半年以上、月差10数秒と云う精度を保っていたが、ここ最近、遅れがひどくなって日に10秒くらい遅れるようになってしまっていた。週に1分狂う、しかも進むのではなく遅れるというのは問題である。
機械時計を使うようになって、時間にはある程度ルーズになった。時計は狂うものであると云うのが基本になって、機械の遅れが出ても良いように3分くらい進めておくというのがデフォルトの時計合わせになっていた。約束のの時間に送れるのは問題だが、はやくついてしまって待つのには大した差し支えはない。
しかし、週に1分は間違いなく遅れるとなると、週末日曜日の時計合わせを忘れると、あまり良くないことになる。実を云うと、スピマスが壊れていた時に使っていたハミルトンもゼンマイ切れを起こしてまともに動かなくなっていた。ハミルトンもスピマスの後に続けてオーバーホールに出していたのだが、ほとんど使うことがなく、かといって、完全に放置するのもどうかと思い、月に一度はゼンマイを巻いて動かしていたのだが、ゼンマイが手巻きににもかかわらず巻き切ることがなく、延々と巻くことが出来るようになっていた。不思議と針は動いていたが、ゼンマイが切れているのは明らかだ。その状態で、半年くらい放置していた。
ということで、この二つの時計を持って時計工房に行く。
時計の歩度は機械で測定できるので、すぐに調整して貰える。機械上では日5秒間の遅れになっていると測定していたが、あたしが10秒くらい狂っているというと、若い時計士はそれが正しいと思うので、それに合せて進むようにしておきます。ということだった。実際に使っている状態での歩度にあわせるのが普通で、この場合、測定器が弾く数値は信用してはいけないとのこと。
ハミルトンはやはりゼンマイがダメになっているらしく、交換修理。オーバーホールから1年間の修理は無償保証ということなので、今回のゼンマイ交換も無料でしてくれるらしい。いやぁ、これはパーツの純然たる消耗なので、常識的に考えるとオーバーホール保証の対象にするのはおかしいと思うんだけどな。ちなみにメーカーのオーバーホールは割高だが毎回ゼンマイ交換もやっているらしく、これなら判るのだけど、この時計工房では分解掃除しかしてないはず。まぁ、無償で良いと云うのだから甘えようと思う。ネットでゼンマイを部品として入手しようとすると2000円弱かかるようだ。
判らない人には判らないだろうけど、歯車がゴチャゴチャ絡まって、正確に時間を刻むというのは神秘なんだよな。クオーツでは味わえない。そういうものをいつも持っているということが何とも嬉しいのである。
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