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2013.01.16

体罰としごき

 またどこぞの正気ではない市長が暴れているようだ。ガッコの部活の指導の悪さで生徒が自殺したのだが、すべての運動部の休止やら体育関係科の入試の中止を要請しているらしい。指導するオトナ側の問題で、それを生徒にそのままおっ被せて当たり前と云う態度はどうかと思う。この男はやる事なす事がすべて極端過ぎて、現実を踏まえていない。為政者としては完全に失格である。首長と教育委員会は別権限で動いているので、教育委員会がどのように判断するのか興味深いところである。

 今回の事件は体罰と云うよりもいわゆるしごきというヤツである。体育会系や音楽部系にこのしごきは顕著である。うちの弟も中学、高校と吹奏楽をやっていたのだが、中学の時の部のOB会の名称が、そのまんま、「どつかれた会」である。担当の教師は異動先のガッコでどつき回っては、全国大会に出場させて、賞を取らせていた。

 弟に云わせると確かに殴られるのは嫌だったようだが、それでも止めることはなかったし、OB会とかにも喜んで出ている。目的があるので、おかしな話なのだが、そういった暴力も受け入れられるようである。

 しごきと云った精神論は日本人には馴染みが深く、戦争の軍隊では当たり前のような気がしている。あまりにも上官のしごきが酷かったので、敗戦後、皆で復員船から投げ捨てたといった話もある。方法論ではなく、とにかく死ぬ気でやれば、何とかなるというのが日本人の発想の根底にはあるのかもしれない。でなければ、あんな無茶な戦争はしなかったはずだ。戦線の兵士に休暇があったりする米国の軍隊は日本人にとっては別世界である。

 しかし、米国の軍隊にも異常なしごきは存在しているようで、TVドラマシリーズの「バンド・オブ・ブラザーズ」では第二次世帯大戦でもっとも成績をあげた空挺部隊がどのような過酷なしごきの訓練を受けて力をつけたか、また、、キューブリックの「フルメタル・ジャケット」 では普通の青年が人格をとっぱわれ殺人兵器に作り上げられる様が描かれている。まぁ、どちらの作品でもその上官はまともな目にはあっていないが。

 しごきについては方法論と云うものとっぱらって、手軽に精神論で行うため、やはり問題が多い。相手が人間の場合、色んなケースがあるのだが、それをひとつの方法だけでやってしまおうというのがそもそも無謀である。状況を見て各々のケースに応じた対応をとるのは、研究が必要であり、手間がかかるのもである。しかし、そこには個を大切にするという精神が基本的にあり、ひたすらしごき続けるのとは異なる。

 精神論的なしごきが出来る人間は、おそらく、対象を人格ある個人として捉えずに、駒としか考えていない筈である。でなければ、むやみやたらに怒鳴ったり殴ったりするということはできない。必ずしも効果があると考えられないことを続けるのは、普通、あり得ないからである。

 ということで、まぁ、こういったしごきを続けることで出来る人間はそもそも人格的に問題があるのではないかと思う。

 体罰は絶対ダメだとは思わない。必要な時期もあると思う。あたしも数度、自分の子供を叩いたことがある。「お前は悪いことをしたから、尻を叩く。だから、尻を出せ」といって、スボンを自分で脱がせて、2度叩く。これが、体罰だと思う。だから、体罰が出来るのは小学校に上がる前の、言って完全に聞かせることの出来ない時期になる。もちろん、感情に任せて殴るのは論外である。

 しごきによって指導を続けて来た人は、おそらくそれが当たり前になっているし、その他の指導技術を持ち備えていないから、変えることは出来ないんじゃなかろうかと思う。それを許容する事が出来る人しか下につけないと思う。

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