リドリー・スコット「ハンニバル」(01)
あたしはB級映画が好きである。何とはなく、「羊たちの沈黙」で有名になったレクター博士ものを見たくなった。
「羊たちの沈黙」はジョディー・フォスターが賞を取ろうが、あれはB級映画の極みだと思っている。
そう云えば、「羊たちの沈黙」に続けて撮られた「ハンニバル」はリドリー・スコットが監督しているらしい。「羊-」は映画館で封切りを見たが、「ハンニバル」はTVでチラリとしか見たことがなかった。中古の廉価なものを取り寄せてみた。
ハンニバル 監督: リドリー・スコット |
リドリー・スコットはあたしにとってはB級映画監督である。プログラムピクチャーではないのだけど、今ひとつ、凛とし切ったものがない。どこか緩いのである。たぶん、この人は職人さんなんだろうと思う。
映像が美しいといった評価があったが、それほどには感じなかった。他の監督作品の方が良いものが多いと思う。
しかし、人喰い医学博士の話であって、ここまでするかというシーンがあった。原作があって、それに従って描いたのだろうとは思うのだが、それでももう、笑ってみるしかないようなシーンがあった。リドリーはやや硬派な話を選ぶタイプなので、あのシーンを撮る時どのように感じたのか興味深かった。彼の趣味ではないような気がす。
原作があっての映像化のようで、原作はこの猟奇殺人犯をどのように捉えているのか気になるところである。エンターテイメントであっても、こういった異常なるグロを描くのには何らかの意図があるはずだし、残念ながらこの映画からは出来事しか読み取れなかったのである。
何だかんだ云いつつ、このシリーズをひととおり揃えてしまうかもしれない。
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