光の粒
この写真は一昨日の夜に撮ったものだが、見ての通りの夜間撮影である。
写真は十分明るく映っているのだが、これは三脚を立てて28秒ほどの長時間露光で撮っている。ファインダーというか、液晶モニターを見ても何も映らず、構図が確認できないまま撮り、その結果を見て少しずつ角度を変えてようやく見れるものになった。10枚近くを撮る必要があった。
夜の住宅街を撮った写真集に坂口トモユキ『HOME』(07)というのがある。暗闇の住宅街を長時間露光で撮影し、昼間のように明るく、しかし、違和感のある世界に撮り上げた写真が集められている。
これらの写真を見て不思議に思うのは、光の性質についてである。普通にだと見えないものが蓄積、濃縮されると見えるものになる。そう云えば、初期の頃の写真は感度が悪く、撮影するのに何分もかかり、その結果、魂を抜かれるなどと云われた。
そんなふうに見ていると光は粒なんだな思われる。絶えず粒を発していて、それをどのくらい感知できるかで見え方が変ってくる。人間の目は高感度、高制御の素晴らしい機能で光を捉えているから、そんなことを意識しないでいられるのだけど。
映像の世界は奥が深い。
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