落とし所の見極めこそが管理職の肝
職場でトラブルがあった。今後、注意する、としか云いようのない、普通なら直接的に穴埋めの対応を考えないようなことだったが、我が上司は違った。ミスを犯した人間にことごとく、ミスを償うための行動を要求し、彼は半日それに費やした。
ミスについては常識的レベルで、追求して意味があるかどうかという判断を行うものである。そのミスによって生じることの影響と、対策、今後の対応、これらを纏めて考察して、結果を導く。本来あるべき状態に戻すことができるのならそれがいちばんいいのだが、それに時間を費やしたり、不可能であったりすることがある。であれば、他のことに目を向けることになる。
ミスを犯した部下からは、ミスそのものの訂正以外のことは云い出せないものである。責任の当事者であるからである。通常、管理職は部下の責任を負うべき存在であり、部下から問題の報告を受けた場合は、方策を指示し、自ら責任を負うものである。業務は様々で、時間配分のこともある。閑であればとことんそのミスを訂正すべき行動を行う価値もあろうが、そんなことはない。忙しさのあまりに起こしてしまったミスでもあった。
管理職はそういう全体を見て、とるべき行動、いわゆる落とし所というところをいかに取りつけるかが部署に対する責任のとり方である。
とことんミスを訂す方向に部下を進めた管理職は自分の責任を放棄したに近い。
さらにミスを不確実な形で取り繕うというやっつけの決着を指示したようで、その信じられないくらいの出鱈目さは、場合によれば墓穴になり、いらぬ悶着を引き起こしかねないと思われる。世の中には凄い人もいるものである。
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