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2011.07.28

訃報 小松左京

 小松の親分さんが亡くなっていたらしい。

 左京の姿はこの10年、とんと見ていない。以前は大きなイベントを企画で引っ張るとか、作家以外のところで随分と活躍していて、やり過ぎという感もあったのだが、この10年間は淋しいものだった。

 彼の作品は長編ベストセラーの『日本沈没』(73)以外は短篇ばかりしか読んでいない。彼の短編で好きなのは、怪奇ものである。左京は一般的にはSF作家とされているが、怪奇、恐怖ものの短編はむしろ純文学的な風格も持ち合わせていると思う。

 そんな短編の中で忘れられないのが『くだんのはは』である。終戦間際の芦屋を舞台にした小説なのだが、悪いことが起こる前兆として産まれる件(牛人間)を取り扱っている。この件はの存在は都市伝説なのだが、最近では阪神大震災の時に目撃されたともいう。そんな件を描くこの小説は、作り話であることは明らかなのだが、妙にリアルで重く、心の奥底はまり込んで抜けない。最初に読んだのは高校の頃だと思うので、もう30年近く前のことになる。

 日本SFの重鎮御三家の星新一、小松左京、筒井康隆のうち、2人が逝ってしまった。ツツイはいつまで頑張ってくれるんだろうか。

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コメント

こんにちは。「くだんのはは」に反応してしまいました。「せまりくる足音」はお読みになったことがあるでしょうか。名前もアドレスもなしで失礼しました。

投稿: | 2011.07.29 05:55

こんにちは。
「せまりくる足音」はタイトルには記憶があって、以前に読んだはずです。
文庫本で読んだのですが、どこに収録されているのか判らず、調べてみると『アダムの裔』に入っているらしいことを突き止めました。
本棚からようやく探し出すと奥付の発行日は昭和55年となっていました。今とは違って、活字の小さな頃の書籍です。紙もすっかり焼けてしまって、真っ黄っきでした。
その頃の小松の短編の文庫本はほとんど買い揃えていた筈です。

ということで、サイケなイメージのあったこの作品を10数年ぶりに読み返してみます。

投稿: O-Maru | 2011.08.01 22:11

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