震災のあおり
先週末は老眼鏡を作った弐萬圓堂に下の子を連れて行って、眼鏡を注文した。目がかなり悪いようで、睨みつけるような細い目でものを見たりしていたのだ。視力を計ってもらうと、0.1くらいしかないという。子供の眼鏡についてはもう数年、カミさんに作ってやるように云い、その費用も何度も手渡していたのだが、放置されていた。まともに見えていないはずだ、と店員に聞かされ、子供に申し訳なく思った。
昨日の午前中に眼鏡ができるということで、仕事が引けてから子供と取りに行くことにしていたのだが、お昼前に店から電話があり、「突然午後から閉店することになりましたので、明日以降おにお願いできますか」という。少しでも早く子供に眼鏡を使わせてやりたいと思いつつ、無理は云えないので、とりあえず了承し、明後日の夕方にお伺いしますと伝える。
今日、家に戻るや否や子供をアパートに迎えに行き、弐萬圓堂に出向く。店舗のテーブルに付くと、「この度の閉店...」という但し書があるのが目に付く。「何だ」と思っていると、店員が「昨日、いきなり閉店が決まりまして、子供用の眼鏡の2年間補償が行えなくなりました。眼鏡はキャンセルということにして、返金することも可能ですが、どうしされますか」と尋ねてくる。周りをよく見渡すと店内に陳列されているはずの眼鏡はひとつ残らず撤収され、不必要な椅子も積み重ねて隅に置かれていた。
先に作った老眼鏡で8000円の割引券を貰っていたのだけども、子供用眼鏡の2年間補償を適用するにあたって、この割引券での購入はできないということを申し渡されて、泣く泣く満額を払って補償を優先させたのだけど、結局、これが裏目に出てしまったようだ。しかし、強い度にしてはかなりの薄いレンズになっているようで、下手に余所の眼鏡屋だとレンズだけでも余裕で2万円を超しかねない。それに早く、眼鏡を使わせてやりたいので、そのまま引き渡してもらうことにした。
弐萬圓堂の本部は仙台にあって、今回の東北地方太平洋沖地震の被害の影響が大きかったようだ。店員も憮然として、いきなり解雇されてしまいました、と云っていた。弐萬圓堂のサイトを見た限りでは、倒産ということではないようだが、店舗一覧では当県の店舗はすべて消えているようで、他の県でも県単位で全店舗が突然、閉店されたという情報がネット検索で見つかった。
眼鏡を始めてつけた下の子は、ものがよく見えると大喜びするのを見て、ほっとしたのだが、ご迷惑をお掛けして誠に申し訳ありません。今月中は一応、店を開けていますので、掛け具合の調整等できる範囲のことはしますので、宜しくお願いしますと、深々とお辞儀する店員の姿がなんとも不憫で仕方なく、複雑な心境で店を出た。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
この記事へのコメントは終了しました。
コメント