小内 一「てにをは辞典」(10)
これも人気があって品薄となっているようで、注文して一週間ほどして届けられた。重刷が月末に出来るとのことで、それまで待たされるのかと思っていたのだが、第一刷分の工面がついたらしい。
あたしは本当に辞書フェチで、使っているPCは自宅、職場ともに2大百科辞典と広辞苑を始めとする10冊くらいの辞典が電子データで用意している。判らないことがあるというのがとにかくイヤで、だから辞書なしでは生きていけないのである。
先日購入の中村明「日本語 語感の辞典」(10)は辞書フェチのあたしでも失敗した感が拭えなかったが、今回の「てにをは辞典」はなかなか使えそうな辞典であった。
たいていの辞書には語意の他に用例が記されているのだが、いずれもスペースのこともあってか中途半端で、ごくたまに有り難味を感じる程度である。「てにをは辞典」はまさにこの用例に特化した用例辞典で、表現に迷った時に威力を発揮しそうだ。
書名は「てにをは」ということを殊更に際立たせているものの、名前的に関心を引くからつけたのだろうと思う。内容は確か「にてをは」ごとに連なる語が記載されているのだが、その区切り方はそう大したことではなく、とにかくその語を用いた表現を多く網羅しようという試みが行われている。
てにをは辞典 小内 一 (編集) |
使い方としては、気になる言葉があって、その言葉を使ってどのように表現できるか、自分が思っている使い方は正しいのか、と思った時に使うことになる。表現の多様性が期待できるだろう。
60万のサンプルは250名の作家の作品から抽出したということなのだが、サンプルの抽出のみならず、サンプルとして使うことの取捨選択という作業もあったろうし、この辞典の編纂にかかっただろう労力には恐れ入る。大切に愛用させて貰おうと思う。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 電子書籍は苦手(2015.04.27)
- 訃報 渡辺 淳一(2014.05.05)
- 本日入荷の積ん読素材-「つげ義春の温泉」(2014.02.04)
- 本日入荷の積ん読素材-「日本の民家一九五五年」「独裁者のためのハンドブック」(2014.01.21)
- 最近入荷の積ん読素材「家族喰い―尼崎連続変死事件の真相」(2014.01.14)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント