とうもろこしとアユ
夕方、オヤジがやってきて、茹でたとうもろこしと焼いたアユを持ってくる。いずれもオヤジの里から叔父貴がとってきたもの。
オヤジの里は四国山地の真っ只中の山奥である。一族はすでに山を降りて3、40年経ち、誰もそこには住んではないのだが、山は残っている。植林した山で、伐採した木を売るためには年に何度か枝打ち等の作業を行う必要がある。それで、山に戻った叔父貴が、とうもろこしとアユを取ってきたらしい。
川魚のアユは海魚と比べて小振りなのだが、何とも云えず、旨い。この旨さはどうにも表現が難しいのだが、小さな身のしっかりした味やら内臓の苦さやら、何が旨いのか判明できないまま、2匹をあっという間に食べてしまった。次に食べる機会があれば、じっくり観察してみることにしようと思う。
天然アユに関しては叔父貴のおかげで毎年一回は食っているので、まぁ、旨い、という程度なのだが、このとうもろこしについては嬉しかった。とうもろこしといえば、今は口にするのはほとんどがスイートコーンという、柔らかくて甘みのある種なのだが、昔、農家が作っているとうもろこしは固い歯応えのあるものだった。今回、そのとうもろこしを持ってきて貰ったのだ。
たまたまスイートコーンもあったので、二つを並べてみた。ちいさなとうもろこしなのだが、粒の大きさはスイートと比べると随分大きい。色も橙色といった感じで、皮は固く、ゆで上げても形崩れすることはない。齧ってみると、粒の中身がしっかりしていて、粉っぽくもある。いかにも穀物といった風情である。
じいさんばあさんがまだ山に住んでいた頃、とうもろこしといえばこれだった。市場でも缶詰以外はスイートコーンなんてなかったんじゃないかと思う。固いけども噛むと味が出てきて、旨かった。また、このとうもろこしは、鶏舎があって、鶏の飼料にもしていた筈である。餌を置く樋にとうもろこしをまくのを手伝ったような記憶がある。
スイートコーンもまずくはないのだが、このとうもろこしの味を知っていると、毎回とは云わないが、4回に一度くらいは食べたくなるものである。
ということで、懐かしい味を満喫した今日の夕食であった。
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