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2010.02.17

甲斐庄楠音「甲斐庄楠音画集―ロマンチック・エロチスト」(09)

 岩井志麻子の「ぼっけえ、きょうてえ」は内容はもとより、書籍(単行本・文庫本版ともに)表紙もインパクトがある。この絵が怖いという人が多いようだが、あたしは特に怖いとは感じなかった。しかし、どことなく惹かれるものがある。

 この絵を描いたのは、甲斐庄楠音という画家である。非常に読み辛い名前だが、「ただのしょう ただおと」と読む。この人の初の画集が死後30数年を経てようやく発売された。それが、「甲斐庄楠音画集―ロマンチック・エロチスト」である。

甲斐庄楠音画集―ロマンチック・エロチスト
甲斐庄楠音画集
ロマンチック・エロチスト

甲斐庄 楠音 (著), 島田 康寛
大型本: 293ページ
出版社: 求龍堂 (2009/03)
ISBN-10: 4763009117
ISBN-13: 978-4763009111
発売日: 2009/03
商品の寸法: 26x20x3.4cm

(表紙を拡大)

 右の写真は画集の裏表紙になるのだが、甲斐庄楠音本人の写真である。画家であるのだが、「穢[きたな]い絵」という評価を受けた後、絵から離れ、溝口映画で時代考証をしていたこともある。女装を好んだ男色家でもあり、普通とは懸け離れている。

 画集には多くの絵が収められているが、女性の絵が大半を占め、なおかつ、画集の表紙にあるような美しいとも悍[おぞ]ましいともなんとはいえないものばかりである。画集では彼の絵だけではなく、モデルの写真も掲載されているものが幾つかあり、画家が何を見い出したのかうかがい知れて、非常に興味深い。

 書籍では絵そのもの以外にも、スケッチブック、スクラップブック、ポートレート、著作文献を取り上げ、様々な角度から楠音を捉えようと試みている。

 中には極めてグロテスクなものもあり、どこかで見たような気がした。よくよく記憶を辿ってみると、つげ義春の「ゲンセンカン主人」に登場する女将だった。

 とにかく興味深いものの、そのまま絶版になりそうな一冊なので、興味があれば、はやく入手を。

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