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2010.01.23

Garmin ガーミンの馬鹿

 朝マックをしに、朝から外に出る。車を走らせていると、何だか遠出をしたい気分になった。たまたま走っている国道が、隣県に直接向かっているような道だったので、久しぶりに行ってみようと思った。距離は110kmでそれほど遠くはないが、山地を横断する道路で、やや短調である。

 その隣県には10年くらい行ってないような気がする。学生時代は、そこに名画座があったことから、映研の仲間と連れ立ってドライブがてら半年に一度は映画を観に行っていたものだ。その映画館で観たのは、「ライト・スタッフ」やら「薔薇の名前」、リバイバルの「十戒」とかあったように思う。地下に入り口のある映画館は、在学中に閉館となった。

 そう云えば、35年くらい前まで伯母が住んでいた街でもあり、何回か親に連れられて行ったような記憶もある。えらく遠いところという思いが残っている。その伯母も神戸に嫁いでいって、震災が起こるしばらく前に癌で亡くなった。伯父や従兄弟も罹災したが、幸いにも怪我はなかった。

 その街に着くと、坂本竜馬でお馴染の桂浜に行きたくなった。ここは夜しかしらないところである。独身時代は、夏、ふと夕涼みに行ってくると云って、桂浜に行き、一服してそのままとんぼ返りしていたものだ。太平洋のような島のない海には馴染みがなく、沖の遙か向こうに雷がなっている光景がなんとも言えず大洋という印象だった。

 昼間の桂浜は人出が多く、つまらない。あたしは観光地というものが嫌いである。人を見に行くという趣味はない。

 ということで、Garmin ガーミンのnuvi205のナビゲートするままに自宅まで帰ることを試みることにした。距離は120kmで、普通には2時間半といったところである。

 ナビが示すルートは国道の通っている街なかに向かうものではなく、まったく別の静かな地域を突き進むもの。おそらく一度も走ったことのない、また、全体的にどのあたりになるのかも判らない状態である。完全にナビを信じて走ってみることにする。ルートはやや大きめの道からわき道に入る。山に向かうような道で、いわゆる林道的な感じだ。さらに進むと、山を越えるような道であることがわかった。県道というような標識があるものの、ガードレールのない、すぐ横は斜面で、しかも離合は不可能、運転を誤ればそのまま斜面を転がっていくというような道で、当然のようにくねり道である。

 あたしはこの手の道が好きなので、ただ無謀な対向車が来ないことだけを祈りながら、ハンドルを切り切りしていたのだが、人によってはかなりビビるに違いない。余程のことがない限り普通は避けるような道であると思うし、まず、普通には知らないと思われる。実際に10数kmの道のりがあって、離合したのは車2台とバイク1台だけだった。

 標高もまずまず高く、300mくらいのところになっていた。見晴らしも結構よかった。が、ナビがあるからこそ、そういうような余裕がある訳で、やがて山を降りて、いつもの国道に出た時はホッとしたものだ。国道に出てからは、道なり60kmという塩梅で、何とも詰まらないルートである。

 カーナビというのは必ず目的地に到着はするものの、どういったルートになるかはわからないということで、想像以上の大冒険にもなりかねない代物であるようだ。

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