滝田洋二郎「おくりびと」(08)
TVで滝田洋二郎の「おくりびと」を放映するというので見る。アカデミー賞で外国語映画賞を受賞したりして評判になっていたが、劇場でもDVDでも見ていなかった。
確かに幾つかのシーンで泣かされたのは間違いないが、死や人間の尊厳と云うものをあらためて思い知らされたのは個人や普遍的なことに係わることであり、ドラマにはまったく関係のないことなのだ。この映画は納棺師の作法が見せることが出来れば、ある程度の成功は約束された訳で、あとはいかに品を保つか、ということだった。だからドラマ的には恐ろしく薄っぺらく、事実上納棺師とは関係のないエピソードをクライマックスにもってきていることから、それは紛れもない事実である。
まぁ、醜作とは云わないが、こんな映画が絶讃されるのだから、邦画の質がいかに落ちていているのかは明らかだよなぁ。
それにしても吉行和子がばあさん役で出ているのには、何か違和感がある。今だに何とは云えぬ女の色気があるからだ。八千草薫嬢はいまだにお嬢であっても、やはり可愛い婆さんと云う印象は拭えないが、吉行は女であることを意識しない訳にはいかない。が、生年を調べると35年生まれで、すでに74歳、確かに婆さんである。何とも化け物のような女優である。
おくりびと 監督:滝田洋二郎 |
こういった特殊な職業の人の日常を知りたいのなら、ここのブログがお薦め。我々の想像もつかない重い職業が存在している。
| 固定リンク
「おすすめサイト」カテゴリの記事
- フジフイルム「フォトブックデザイン 簡単作成タイプ」を注文(2011.08.21)
- 気象庁サイトが変わった(2011.03.30)
- 書評サイト・本が好き!献本
北野武「超思考」(11)(2011.03.01) - 日本赤十字社 複数回献血クラブ(2011.02.24)
- 書評サイト「本が好き!」(2011.02.23)
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 本日入荷の積ん読素材(2015.03.30)
- スティーヴン・スピルバーグ「未知との遭遇」(77)(2014.11.01)
- アルフォンソ・キュアロン「ゼロ・グラビティ」(13)(2014.09.20)
- 訃報 米倉斉加年(2014.08.27)
- 訃報 ロビン・ウィリアムズ(2014.08.12)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント