石井聰亙『狂い咲きサンダーロード』(80)
石井聰亙監督、山田辰夫主演の『狂い咲きサンダーロード』(80)をようやく観る。大学に入って映研に所属した早々から、先輩連中に凄いと聞かされていた作品である。四半世紀の間、気にはしつつも、見ずにいたことになる。
まぁ、とにかく粗い。もともと商業映画ではなく、日大芸術学部での卒業製作の16mm作品で、もろ素人作品である。とは云え、物語的にも製作的にもやみくもに突っ走り抜けようとする様はやはり心地よい。主演の山田辰夫はスッカラカンで、ひたすら滅亡に向かうと云うイメージ。走りだしたら止らない。
あたしも大学では映研に所属し、映画ばかり撮っていたので2年も留年してしまったのだが、その貧乏で技術のない学生映画の雰囲気は手に取るように判る。石井とあたしの違いは才能があるかないかの、小さくて大きな違いだ。
住民から愛される暴走族になろうとする連合に対して、あくまでも走り屋であろうとする仁(山田辰夫)。その切れっぷりが本当に見事だ。
学生映画特有の無茶苦茶な撮影裏話(コメンタリ)はコレクターズ・エディションのみの収録。監督、助監督、主演の3人による会話は作品の楽しみを何倍にもしてくれた。
狂い咲きサンダーロード コレクターズ・エディション 出演: 山田辰夫, 中島陽典, 南条弘二, 小林稔侍 |
| 固定リンク
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 本日入荷の積ん読素材(2015.03.30)
- スティーヴン・スピルバーグ「未知との遭遇」(77)(2014.11.01)
- アルフォンソ・キュアロン「ゼロ・グラビティ」(13)(2014.09.20)
- 訃報 米倉斉加年(2014.08.27)
- 訃報 ロビン・ウィリアムズ(2014.08.12)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント