スティーブン・スピルバーグ『シンドラーのリスト』(93)
『シンドラーズ・リスト―1200人のユダヤ人を救ったドイツ人』を読み終えたので、あらためてスピルバーグの映画を見てみる。
スピルバーグの『シンドラーのリスト』は3時間15分と云う長めの作品となっているが、原作を読んでから見ると端折りに端折った感じがして、スカスカな印象は否めない。シンドラーの行動はもっと複雑であったし、ユダヤ人の置かれている環境ももっと深刻さを追った変化があった。その当たりが完全に抜け落ちている。というか、高だか数時間の劇場映画では描き切れない。
描き切れないにもかかわらず、観客に何かの感銘を与えないといけないと云う邪心が働いてシンドラーを別人にしてしまっている。ブラジルの地で見捨てられた彼の妻はこれを見て美化し過ぎたと云ったが、それは事実だろう。
![]() | シンドラーのリスト 監督: スティーブン・スピルバーグ |
この作品に価値があるとするならば、原作を読むように仕向けてくれたことくらいか。そうして、当時の様子が映像で再現されており、原作を読む手助けにはなっている。
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