佐木隆三『なぜ家族は殺し合ったのか』(05)
北九州市の少女監禁事件については、事件の判明した当時、ニュース報道で見聞きしていたのだが、事件の全貌については結局、知ることがなかった。
いろいろなところでこの事件のことが触れられ、余程の事件だったのだとあらためて知る。公判の内容に基づいて、事件の全貌を記したのがこの書籍である。
なぜ家族は殺し合ったのか 佐木 隆三 (著) |
既に人間を何人殺そうが、どのように始末したかについては、そんなに驚かなくなってしまった。殺傷数については、秋葉原の無差別殺人が群を抜いているし、愛犬家連続殺人もその遺体の始末の仕方はきわめて異常である。
しかし、この事件の残酷さはひとりを除いて一家全員が殺され、しかも家族同士の殺し、後始末を主犯の男が仕向けていることである。成人同士だけではなく、10歳そこそこの子供たちにも親の遺体の後始末をさせている。いったいどのような神経を持っているのか。体に電気を通すと云う虐待を3歳児にも施していた。これらはすべて内縁の妻がしたことで、自らは(仕向けたものの)直接手を下していないので罪にはならないと主張する。
他人の弱みを掴み、それをとことん利用して金を巻き上げた挙げ句がこの連続殺人事件である。人の痛みが判らない人間と云うのはとことん判らないようだ。おそらく人格障害なのだろう。役場にも屁理屈をこね上げ、自分の都合のいいようにものごとを通す輩がいるのだが、やはり関係を避けるのが賢明だとあらためて思う。
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