ふじ屋の手拭い
かれこれ前から欲しいと思っていた東京浅草のふじ屋の手拭いをようやく手に入れた。夏休みに帰省していた八王子に住んでいる弟に購入を頼んでいたのだが、浅草に行く用事はないようで音沙汰はなかった。職場の同僚が墨田区に出張があるというので、時間があれば、と頼んだのだが、それを聞き届けてくれたのだ。あてになるのはまさしく、遠い身内より近い他人、である。
ひとつは「熊野染」やら「めくじら(目くじら)」と呼ばれている黒地に鯨の目が描かれたもの。「熊野染」という呼び名の由来は、捕鯨が有名なのが熊野灘であるから、という完全な洒落から来ている。『めくじらを立てちゃいけません』という江戸の粋さがいい。
もうひとつは「京伝」と云われているもの。とにかくインパクトがある。あたしがこの手拭いを知ったのは、TVで中尾彬が東京のどこかの手拭い屋(もちろん浅草のふじ屋なのだが)を紹介してて、そこでちらりと映ったのが、このちらり覗きの手拭いだった。10年以上前ならおそらく何の情報も得られず、当然、現物を手にすることなんて出来なかったろう。しかし、ネットと云うものが存在すれば、気合いを入れれば、何とかなるものなのである。これは本当に関心を通り越して、怖いと思ったりもする。まぁ、そういうことで、ふじ屋関係で知った「熊野染」とともに手に入れることができた。
シンプルながらも「熊野染」は絶妙なデザインで、スゴいとしか云いようがない。これを粋と云わずに何と云おう。「京伝」も、そのデザインの斬新さはともかく色使いもこれまた絶妙なのである。左が茶、右が黄土色なのだが、この色の具合が本当に素敵である。あたしは気に入ったものは仕舞い込まず、必ず使い倒すという主義なのだが、「京伝」に関しては使っているうちにこの色が変るということを考えると、なかなか洗うこと、つまり使うことができない。壁に掛けて鑑賞すると云う方法もあるが、あれはあれで、間違いなく日に焼けて変色するものである。なかなか難しい。
「熊野染」1200円、「京伝」1800円。安いか高いか。絶対安いと思う。東京に行くことがあるのなら絶対に買いだろう。
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