« 干し柿一週間目 | トップページ | 季節風/干し柿はもう食べごろ »

2008.10.26

スターリングラード攻防戦

 CATVのスーパー!ドラマTVでジャン=ジャック・アノーの『スターリングラード』(01)を久しぶりに見る。どうも平坦な作りなのだが、『薔薇の名前』(86)のアノーだから仕方ないか。それにしてもオープニングからショッキングである。『プライベート・ライアン』(98)でもそうだったけど、兵士が戦線に送り込まれる様は悲惨である。

スターリングラード
スターリングラード

監督: ジャン=ジャック・アノー
出演: ジュード・ロウ, ジョセフ・ファインズ, レイチェル・ワイズ, ボブ・ホスキンス, エド・ハリス
ディスク枚数: 1
販売元: 日本ヘラルド映画(PCH)
DVD発売日: 2001/11/21
時間: 131 分

  オマハビーチに送り込まれた米兵にはふんだんに物資があったが、スターリングラードの戦線に送られる赤軍兵にはふたりにひとつしかライフルがなく、ライフルを持った者と丸腰の者が組みになり、ライフルを持った者が倒れると丸腰の者がライフルを取れ、という。丸腰で戦線に出ろというのは単に死んで来いというのに等しい。また戦線逃亡を計る者はその場で銃殺である。

 まぁ、戦というものには戦死が欠かせず、この上に戦がなりたっていると云ってもいいくらいなのだが、その全体主義の意志がどこで確立されるのかというのはいつも不思議でならない。

 この映画では赤軍で実在した狙撃手ヴァシリ・グリゴーリエヴィチ・ザイツェフを主人公に、苦戦を強いられる赤軍の様子が描かれるが、この後、体制を整えた赤軍はドイツ軍に猛反撃を加え、スターリングラードの死守に成功する。

 このスターリングラードの攻防戦を対するドイツが描いた『スターリングラード』(93)が近々初DVD化されるらしい。同じ戦いでも立場を変えると見方も変わるものである。こちらの作品も気になる。

スターリングラード
スターリングラード

監督: ヨゼフ・フィルスマイアー
出演: トーマス・クレッチマン, ドミニク・ホルヴィッツ, ヨッヘン・ニッケル, セバスチャン・ルドルフ
ディスク枚数: 1
販売元: ケンメディア
DVD発売日: 2008/10/31
時間: 138 分

|

« 干し柿一週間目 | トップページ | 季節風/干し柿はもう食べごろ »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

ドイツ版スターリングラードは名作です。
飢えに飢えた主人公達が救援物資を収奪し
それを咎めたてるいやったらしい上官を
口モグモグさせながらブチ殺すシーンは
最高です。

あとタイトルソングは日本の軍歌に通ずる
ものがありますね。

ちなみに余談ですが、先日念願の”Johnny
Got His Gun”を入手しました。
生まれて初めてトラウマを植えつけられた作品です。


投稿: REV3 | 2011.01.17 22:32

ドイツ版スターリングラードはそのあとに入手したのですが、敗走の話であって、最後にはストーリーらしきものはなくなってしまってますね。

厳寒のロシアは中途半端でないです。

>ちなみに余談ですが、先日念願の”Johnny Got His Gun”を入手しました。

ジョニ戦ですか。あたしが初めて見たのは淀川長治さん解説の映画放映だったと思うのですが、最悪な状況はやはりショックを受けました。

これは第一次大戦の話なのですが、当時のフィルムでマスクを使って壊れた顔をカバーするといったようなものがNHKのドキュメンタリー等で流されて、実に戦争の生々しさを感じます。

しかし、そのあとの戦争というと、ベトナムとかの生々しいものはあるのだけども、いずれも戦場でのもの。戦争で人が死ぬのは当然だけども、終わってからも何かと苦しむ人は少なくないわけで、そのあたりが欠如している。戦争というのはドンパチの時だけではなく、そのあとの何十年にわたって人を不幸にするという事実が、いまひとつ報道では伝えられてはないんですよね。

投稿: O-Maru | 2011.01.18 19:06

ご丁寧に日曜洋画劇場バージョンも収録されていますよ。
もちろん私の初見もこれでした。
顔をえぐられ、四肢を毟られ、それでも性器だけは無事
だった元兵士の話ですよね。

私のトラウマは看護婦が取った行動です。

昔、国際文化会館で小頭症患者の記録が展示されて
いましたが、大意“猿のような奇声を発し、思春期には
性的行動に走り母親を悩ませる”との解説があったように
記憶しています。
当然ながら現在では考えられない表現なのですが、当時
リアルに思春期を迎えようとしていた自分にはインパクト
十分で、人間の尊厳を奪い生殺しを強いる戦争の現実を
考える機会となりました。


“映像の記録”のえぐれた顔はけっこうショックでしたね。
まるでポンキッキのムック然とした偽装部隊の敵兵への
袋叩きは大笑いしましたが。


投稿: REV3 | 2011.01.18 21:37

訂正します。
“映像の記録”⇒“映像の世紀”でした。

投稿: REV3 | 2011.01.18 23:13

「映像の世紀」は見応えのある優れたドキュメンタリでしたね。

>まるでポンキッキのムック然とした偽装部隊の敵兵への
>袋叩きは大笑いしましたが。

のどかといえば、のどかな光景でした。

戦争なんて、大将が一対一のサシでなぐり合ってけりをつけりゃいいじゃんとかって思ったりするんですが、珍走団の対立でもないし、そんなことはありえない。

国家や部族間の戦争というのは、完全なる排除か、もしくは取り込みが目的なので、全体でやってしまうしかない。だからどうしても惨くなる。文化を奪い、レイプすることが経過として必然的になる。

最近、不愉快なのは、富める者と貧しき者との戦い。無人兵器で殺戮して、テロによる報復を許しがたいとか云っている連中がいるが、こんな均衡のとれた戦い方はないと思う。戦争が続く限りはかたちは違っても双方が流す血は同じ量にしかならないということだ。

と、ふと思っちゃいました。

投稿: O-Maru | 2011.01.19 21:18

なんだかねぇ。

大昔の漫画雑誌の巻頭にあった、21世紀特集には
価値の生産はロボットが行い、人類は働く事なしに
それを享受するなんて、バラ色の未来が予想されて
いて、当時5歳のハナタレでも、何か嘘くせぇなぁ
と思ったものです。

富の生産と占有は不可分な関係なんでしょうかねぇ。

投稿: REV3 | 2011.01.20 00:26

たぶん共産主義的なところが理想なんでしょうが、実現不可能ですからねぇ。これはこれまでの実験を見て判るように頂点はまさに神となって、それ以外は奴隷という...

富の生産という観点からいうと、虚業の異常なる発展も気になります。資本を持たなくてもレバレッジを利かせることで、ゲームに参加でき、生産のない富を得られることが出来る。富が富だけで存在し得るのかどうかという問題があって、やっぱり儲けるのは金を管理する胴元だけだったりする。
http://homepage3.nifty.com/shortpeace/

話は完全に逸れていますが、こんなものが幅を利かせるのはやはり不愉快で、危険です。

投稿: O-Maru | 2011.01.20 21:28

カール・ポランニーや栗本慎一郎を斜め読みしていた
大昔を思い出しますね。

私はといえば、パチンコの換金システムさえ理解して
いない不調法者なので、投機なんてとてもとても。

宝くじぐらいですかね。1500円程未換金の当たり
券が手元にありますw

投稿: REV3 | 2011.01.21 19:27

カール・ポランニーという経済学者がいたことを今、ウィキで調べて初めて知りました。栗本慎一郎はもうすっかり姿を見なくなったなぁ、というレベルです。

宝くじは生まれて一回も買ったことはないです。勝ち負けが制御出来ないのは性に合いません。パチンコも友人に連れられて入ったところ、500円すったので、足もとに転がっているのを試しに幾つか入れるとついてしまいました。これは怖いものだと思って、それ以来、25年間パチンコ屋には入っていません。

FX(為替信用取引)については、PCに齧りついていたら、儲けることは十分可能です。相場の動きには微妙なパターンがあるので、読めなくはないです。しかし、生産性皆無ですから、絶対に虚しくなるはずです。

投稿: O-Maru | 2011.01.24 20:46

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/90327/42915473

この記事へのトラックバック一覧です: スターリングラード攻防戦:

« 干し柿一週間目 | トップページ | 季節風/干し柿はもう食べごろ »