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2008.10.10

NHK広島放送局開局80年ドラマ・帽子

 見逃していたNHK『帽子』の再放送がさっそくあったので見る。

 71歳の緒形はやはり老けている。老けていても何かしら妙にギラギラした役者が多いなかで、すぽんと上手に老けているという感じだ。緒形の親友ということで頻繁に追悼番組に出ていた津川雅彦はもういくらか若いのに、妙な老け方をしているとしか云いようがない。伊丹の映画に出ていた頃はまた凜々しかったのに、この10数年の変化は激しすぎる。が、緒形の老け方は心地よい。

 よく考えて見るとうちの親父も緒形のひとつ下で70歳を迎えている。肉体労働者でいまも多少は仕事をしているはずなので、体力的は多少なりともあるようだが、それでも痩身がさらに痩せこけてしまい痛々しい。病気らしい病気はしていないようだが、しばらく前に風呂に入っている途中、気を失うということもあったらしく、この先は少なからず心配である。

 ドラマは余命3ヶ月という女性に、幼な馴染で別れの挨拶も出来なかった帽子屋(緒形)と女性に棄てられたと思っている子が呉から東京へ会いに行くというもの。女性は広島原爆で胎内被爆を受けたことで翻弄される人生を送っていた。しかし、帽子屋に40年前に作って貰ったミニチュアの水兵帽は女性を今日まで支え、そのことを知らされることで帽子屋も勇気づけられる。

 余命3ヶ月という女性を巡る物語で、自らも余命幾許もないと知っていたはずの緒形はどのような心境で役を演じたのだろうか。女性はまわりの人間に希望を与えることになるのだが、緒形ももしかすると同じようにドラマを見る人間に希望を与えることを信じながら、役を丁寧に演じたのではないかと思う。遺作ではないが、間際にこのような作品に出演できたのは幸いなことではなかったろうか。

 胎内被爆した女性を演じたのは田中裕子なのだが、帽子屋とは9歳違い、少なくとも設定より10歳は上ではないといけないのだが、いっそう普通のおばちゃんになってきているので、ま、いっか、と思った。

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