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2008.09.12

柿田清英『崩れゆく記憶―端島炭鉱閉山18年目の記録』(93)

 続け様に軍艦島関係の写真集を入手する。今回もヤフオクで手に入れたのだが、この『崩れゆく記憶―端島炭鉱閉山18年目の記録』は絶版になって久しく、定価の倍近くの価格で取り引きされており、なかなか手が出なかった。軍艦島ブーム(というか廃墟ブームか...)が大分下火になってきて、中古関係書籍も手に入れ易くなった。という一方、マイナーなものはこれもまた見かけなくなったという印象もある。何れにせよ、軍艦島関係の有名どころの写真集では最後の入手になったはず。

崩れゆく記憶―端島炭鉱閉山18年目の記録
崩れゆく記憶
―端島炭鉱閉山18年目の記録

柿田 清英 (著)
出版社: 葦書房
ISBN-10: 475120503X
ISBN-13: 978-4751205037
発売日: 1993/11
商品の寸法: 25.8x18.2x1.6c
159ページ

(表紙を拡大)

 タイトルのとおり、端島炭砿閉山後18年目の軍艦島の様子で、撮影期間1年、撮影日数30日というかなり腰を据えて撮られた写真集である。著者は端島(軍艦島)のすぐ隣の高島で生まれ、高島炭砿で働いたこともある。端島はふるさとのようなものであり、思い入れも強い。

 写真の多くは建築物の外観よりも内部のものが多い。やはり隣島の高島で似たような生活を体験しているので、当時の生活の名残りに目が向くのかもしれない。すべての写真に細かな説明が加えられている。閉山前のことを知らないとこういった細かな解説は不可能だろう。昭和40年代終りの生活がそのまま残っており、ある意味、朽ちかけてはいるものの風俗記念館といった趣きもある。

 それにしてもとんでもないことに台風が来る前に高島から端島まで泳いで渡り、台風のなかの軍艦島の光景を撮っていたりする。もちろん大しけの中、船が転覆しそうになりながらも海上から撮ったものもある。命懸けの撮影と云えば聞えがいいが、単なる馬鹿のような気もする。しかし、端島は何度となく台風に襲われ、大きな被害を受けている。また、島の中央には建物を超えて波が降り注いでくる「潮降り街」という通りもあった。そういう訳で荒れた海洋の人工孤島という軍艦島を捉えた写真は非常に貴重である。

 この著者はデジタルタイプの写真集も出しているようで、そのうち入手しようかと考えている。


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