下水道事故
あたしは以前役場で下水道関連の部署にいたことがある。そういうところではいつもではないが業務の関係で下水道の中に潜らないといけないこともある。幸いにあたしは事務屋なのでそういう作業をすることはなかったが、すぐ隣の技術屋さんは何度も潜っていたようだ。そういう時は世間では問題視されている手当てが出る。危険手当というヤツで、確か2、300円という額だったと思う。
今日の豊島区の下水管補強工事事故のことを聞くと、地下の管渠に潜ることの恐怖を改めて感じる。狭く暗いところだから、まず閉所恐怖症の人間には出来ないことである。そういった恐怖症がなくても、不衛生極まりない場所であり臭い等の不快感はかなりのものだと思う。ただでさえ、下水道に潜って作業する作業員には頭が上がらない。しかも、まわりの状況が判らないので鉄砲水のような状態になると完全にお手上げだろう。
役場の職員の危険手当は実質、我慢手当のようなものだが、それでもリスクが著しく増すのはあきらかで、正当にこのリスクを補える方法はないものかと考えてしまう。
下水道に流された5人のうち2人しか発見されていないようだが、流された場所にもよるが管渠は張り巡らされているので発見は難しいだろう。東京は早くから下水道が作られているので、汚水と雨水を同時に処理する合流管になっている。汚水専用の下水道なら行き着くところはポンプ場の経由があるかもしれないが、処理場しかない。しかし、合流管では降雨の多い場合は汚水が希釈されているということもあり、河川にそのまま放流される。つまり水の径路が複雑になる。ひとりは河川で、ひとりはポンプ場で遺体が発見されたが、残りの人たちが確認されるのはしばらくかかるかもしれない。
気象の問題も絡み、非常に憂鬱な事故である。
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