Anything Goes
スピルバークの作る映画はどことなく胡散臭くてあまり好みではない。でもいくつかの好きなシーンがある。ひとつは『未知との遭遇』(77)のオープニングの砂漠のシーン。あのドキュメンタリータッチがなんとも云えぬ緊張感を与えてくれる。すぐにコテコテの作り物になってしまうんだけど、あのオープニングだけは好きだ。
そうして、『1941』のダンスコンテストのシーン。さらには『インディー・ジョーンズ 魔宮の伝説』(84)のこれまたオープニングのミュージカルステージシーンである。音楽も良いし、ダンスも『ザッツ・エンタテイメント』(74)に出てくるようなミュージカル全盛期のような雰囲気を醸しだす。音楽についてはあまりにも出来が良すぎるので、既成のものを使っていると踏んでいたのだが、ずーっと判らずにいた。
久々にそれを思い出し、調べてみると34年初演のミュージカル Anything Goes エニシング・ゴーズだと判った。ネットというのは本当に偉大である。20数年の謎が瞬時に解けてしまったのだ。さらにYouTubeを検索すると現在公演されているものの映像があった。
インディーとは全く異なる趣で、スピルバーグが随分と想像の羽を伸ばしたのかが伺える。まぁ、いいとこ取りという感じで、それなりに楽しませてくれるものを作ったのだから文句はない。
それにしてもAnything Goes は結構有名な曲なようで、フランク・シナトラも唄っていたようだ。
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