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2008.07.17

ジャック・ケッチャム『オンリー・チャイルド Stranglehold』(95)

 これもまた、漫画的な読み易さを持った小説だった。ケッチャムの小説は『隣の家の少女』に次いの2冊目だが、『隣の家の少女』ほどは気分が悪くなかった。どちらかと云えば、映画的な構成で、映画化されていないのが不思議なくらいだ。

オンリー・チャイルド
オンリー・チャイルド

ジャック・ケッチャム(著),有沢善樹(翻訳)
文庫: 398ページ
出版社: 扶桑社 (1997/06)
ISBN-10: 4594022715
ISBN-13: 978-4594022716
商品の寸法: 15.2x10.6x2cm

(表紙を拡大)

 『隣の家の少女』ほどではないが、やはり気色の良い話ではない。相変らず、児童虐待の話であるし、救いがあるかと云うと完全な救いはない、むしろ、未来に不安を残すエンディングとなっている。

 ただひたすら虐めるというのではなく、父親から子供の保護するため、母親が裁判をおこす等の裁判劇も展開され、変化に非常に富んでいる。このあたりのアクションがいかにも映画的でなのである。中盤からはこの裁判がメインになるのだが、法がいかにも柔軟ではなく、矛盾を孕んだ結果を及ぼすかということも知る。子供を救おうとして母親が苦しめられるのは、夫本人だけではなく、法と云う逃れることのできない制度でもある。このもどかしさは、まさしく悪夢である。

 しかし、異常性格を持った者はどうしようもないと思う。今日たまたま知ったサイトなのだけども、ここを見ていると異常なる人間は更生など可能なのかと疑ってしまう。遺伝なのか環境なのか、障害なのかよく判らないが、すでに本人の意思を超えてしまっているところに悪意があるように思える。こうなれば、そういった人間との遭遇は事故としか云いようがない。

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