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2008.05.24

予算ありき

 最近、国や自治体の財政難の話をよく耳にするが、本気で支出を削減しようと思えば、かなりの額が可能ではないかと思う。

 建設関係の部署にいた頃は技師の上司からは「ここで事務屋というは、お金をいくら持って来られるかがなんぼのもん」と云われたものである。上級官庁と補助事業の予算折衝をうまくやり、一円でも多く貰ってこいというのである。そうやっていったん持ってきた補助金はこれを満額執行しなくてはならない。事業費が思ったより低く済みそうになり、このことで上級官庁に相談すると「前例がないし、それ(未執行にする)は避けてくれ」と云われる。

 国費に金がなく予算の削減をしていると云う割には補正が多くついたので、補助事業をいくらか取って欲しいと云う年度末近くの上級官庁からの依頼。補助事業には制約が多いのでおいそれと手をつけるのは難しいのだが、自治体独自の事業分を落して補助に切り換えたりする。

 今の部署では年度末近くになると決まって上司から云われるのは、「決算委員会で指摘されるような不用額は作ってないよな。委員会で上司に変な説明をさせてくれるなよ」。当初予算の見積もりでは「うちの事業は変化がないんだから、去年と構成を大きく変えると説明がつかんじゃないか。それが本当は正しいかもしれんが、そうするのは間違っておる」

 そういう馬鹿げたことを柔軟な形にしていけば、1割くらいは比較的容易く削減できるんじゃないかと思うんだが。とにかく予算制と云う制度が内包する弊害が大きすぎる。

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