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2008.05.27

『帝都物語』オリジナル・サウンドトラック/
石井眞木・交響的組曲『帝都物語』(87)

 先日、実相寺昭雄監督の『帝都物語』のDVDを入手したのだが、映画本編に飽き足らず今回は廃盤サントラ盤をヤフオクで入手する。

交響的組曲『帝都物語』
『帝都物語』オリジナル・サウンドトラック/
石井眞木・交響的組曲『帝都物語』

石井眞木・作曲
大友直人・指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団・演奏

(ジャケットを拡大)

 映像自体は本気なのか遊びなのかよく判らないB級テイストの実に強い作品なのだが、音楽もそれに負けぬベタさがある。作曲をした石井眞木というひとはすでに故人なのだが、現代音楽界でそこそこの評価を受けていたひとらしい。よく聴いていると音楽的に構成のしっかりしたところも多いのだが、劇的な部分になると「いかにも」といったベタさが顕著になり、いきおい安っぽくなってしまうのである。まぁ、確に実相寺の映像にあった音楽をつけるというのはなかなか難しい。

 それにしても初っぱなのシーンからワーグナーの彼の有名な『ラインの黄金』をモチーフにして組み込んでしまうという大胆さはいかがなものだろうかとも思う。うまく熟してはいるのだが、あまりにも大胆ステキ過ぎる。エンディングもヨハン・シュトラウスのかの有名なワルツ・「こうもり」序曲をふんだんに用いて、楽曲を形作っている。まぁ、このエンディングというのはこの映像作品がつまらないと云うひとも最後には「すばらしい」と云わせてしまう、神田明神の祭りでの紙吹雪シーンなのだが、音楽も綱渡りのようなことをやって見事にオリジナルさを引き立てている。

 凄いサントラかどうかと云われると、あっさりとそうでもないと答えてしまいそうなのだが、映画本編もそうであるようになかなか忘れ難い作品であったりする。

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