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2008.05.03

実相寺昭雄『帝都物語』(88)

 20年前の劇場公開時に劇場で見て、ちょっと感動した作品。明治の終りから昭和の初めにかけての物語なのだが、寺田寅彦やら森鴎外、幸田露伴、泉鏡花といった馴染みのある学者や作家、さらにこの映画で初めて知ったロボット学天則、渋沢栄一が陰陽師とやらの怪しい世界に関って、東京都云う街をどうのこうのしようとするというのだから、面白くないはずはない。

 まぁ、大まかな筋というのは理解できるのだが、詳細については荒俣宏の原作を林海象が思い切り端折ったもんだから舌足らずで不明なところが多い。しかし、それでもそれまで経験することのなかった怪しさで十分な作品である。

帝都物語
帝都物語

監督: 実相寺昭雄
出演: 勝新太郎, 嶋田久作, 原田美枝子, 石田純一, 姿晴香
ディスク枚数: 1
時間: 135 分

(ジャケットを拡大)

 どちらかと云えばチープな作りが目について限りなくB級に近いのだが、実相寺特有の奇異な構図がぽつぽつと埋め込まれていて、ただ者でない雰囲気を呼び起こしてしまうから質が悪い。声を大きくしてこの作品が好きであるとは決して云えないのである。

 役者でおそらく唯一無様なのは石田純一だったような気がする。嶋田久作はこの作品のために存在しているようなものであり、また、彼が居なければ作品もどのようになっていたか想像がつかない。坂東・泉鏡花の「あんた近いうちに鬼に出くわすよ」なんていう台詞は鳥肌ものである。石田純一はこの映画で初めて知ったのだが、貫禄の必要な役であるにもかかわらず、坊ちゃん坊ちゃんした様は本当に無様であった。仮に20年後の今の石田が演じてもやはり貫禄はないから、ダメダメである。

 ということで、久々にDVDを入手するとここ数日環境ビデオのようになってしまっている。

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