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2007.12.13

葬式と個人情報

 部署の職員の身内が亡くなった。途端、庶務は忙しくなる。

 まず、役場全体に葬儀のお知らせを流す。今はお知らせをワードで作り、メールで一斉に流せば済むので簡単だ。昔は紙ベースで各課に流していた。考えただけでぞっとする。送付先は200箇所弱。先に余所の部署が流していた案内文を雛形にして本文を作ったのだが、職員や亡くなった身内の敬称が"殿"か"様"がどちらが相応しいか課長補佐が係長に問いただし始める。それで文書課に問い合わせする係長。何だか馬鹿げている。職員、故人ともに"様"を使用。何かしらん違和感。故人はまだしも、職員はそもそも敬称不要ではないかと思う。

 メールを打って半時間程経った頃から職員が香典を持参し始める。アルバイトに受付をさせ、さらに名簿も作るように指示する。お返しとかで名簿がどうしても必要になる。それも受付の仕事になってしまう。

 以前は職員名簿があり、部署名と氏名を控えておいて、後から名簿から住所等をひらっていたのだが、それも今は不可能である。個人情報の取り扱いが厳しくなり、名簿作成時に電話番号の記載が任意になったと思うと、5年ほど前、あっという間に名簿自体が完全廃止になってしまった。ページ数の割には作成部数も少ない(各部署と所属長のみに配布するのみ)と云うこともあり、コスト削減にも一躍買っている筈である。完全に職員の一覧が亡くなってしまったのかというとそうでもなく、以前にはなかった職場での担当と最寄りの電話番号を載せた電子データベースでの職員名簿が制作されることになった。実務的にはこれが非常に重宝している。

 そう云う訳で所属・氏名・住所・電話番号を書いてもらうための票を作り、来る人来る人、皆に書いてもらうことにする。本当に面倒な時代になったものだと思う。

 普通の職員だったからそれほどではないが、そこそこアルバイトも受付とかに時間を割いていたようだ。昔ならそんなに気にならなかったが、このご時世、公務員が業務中にこんなことをやっているのを見て、問題視するような人達もいるんだろうなと憂鬱になる。当然、告別式に参加するとか受付の手伝いは休みをとってやります。中抜けは致しません。

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