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2007.12.04

情念の作家・楳図かずお

 先ほど購入した『[豪華愛蔵版] 楳図かずお・イアラ』をようやく読み終える。

[豪華愛蔵版] 楳図かずお・イアラ
[豪華愛蔵版] 楳図かずお・イアラ

楳図 かずお(著)
出版社: 小学館
発売日: 2002/10/24
商品の寸法: 21.8x15.4x5.2cm

箱帯なし箱帯

 この作品は2巻構成になっており、『イアラ』本編で構成されている「白日夢 Daydream」の巻、18の短編から成る短編集が「悪夢 Nightmare」の巻となっている。『イアラ』についてはオリジナルのままのものだが、短編に関しては今回、楳図によって再構成され、従来のものと作品の入れ換えと列びの変更が行われているようだ。従来の『イアラ』とはかなり趣きを異にした作品集になっている筈である。しかし、楳図自らによるもので著者の意図が強く反映されている。

 ということで、読み終えた印象は非常に強烈だった。この2巻のコントラストが激しい。タイトルが白日夢・悪夢とある通り、方向性が全く正反対なのだ。「白日夢」がないものを求めて突き進むというのに対して、「悪夢」が過ぎ去ったもの、過ちに対する悔恨というもの。ほぼ完全に志向性が統一されているので、全体がくっきりと際立つ。以前のリリースでは短編集部分が『イアラ』の前後に発表されたものを集めただけのものだったので、印象が異なるはずである。旧イアラをいつか読んでみたいと思う。

 それにしても楳図という人は情念に基づいた物語を描く人だと実感する。何とはない偶然であるとか、我れ知らないところでの出来事で物語が進行することはなく、必ず誰かの強い情念(意志ではない)で物語が紡ぎ出される。濃い。あまりにも濃い。どこかで女の人が「どうしてこの人は女の気持ちがこれほどまでに判るのか」といったような発言をしているのを見かけたのだが、確かに理に従って行動するというより、情動的な行動が多く、女性的でもある。

 考察を続けると楳図作品からはいろいろ面白そうなことが発見できそうだ。しかし、とにもかくにもカタルシスを得るためのものとてしては絶品であるということには間違いない。

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