楳図は性悪説者?
楳図かずおの『漂流教室2』を読む。前半はそうでもなかったが、後半は一気に読んでしまった。
漂流教室 2 楳図 かずお (著) |
3巻中2巻でまだ結末には至っていないが、それにしても壮絶な話である。数人の大人がいるものの、ほとんどは舞台となる小学校の小学生である。その彼らが殺し合いを行ったりするのである。もちろんそれを押し止めるのが主人公の役割であるのだが、集団的であったとしても子供たちが自ら殺し合いを始める姿は想像を絶する。
デフォルメされた情動というのが楳図作品の特徴なのだが、この作品がこれほどまでに過激であるということをすっかり忘れてしまっていて、20年ぶりに再び、衝撃を受けてしまった。この『漂流教室』を原作にした『ロング・ラブレター〜漂流教室〜』(02)なんて本当に温くて温くて、ぬるま湯にもならない。
作品はイマジネーションの産物であるとはいえ、これ程に子供に残虐な行為をさせる(残虐な行為を受けるのではなくって)ことができるのは、もしかすると楳図というのは性悪説者ではないかと思ってしまうくらいである。まぁ、本人は至って無害な天然であり、また、かといって彼の作品が嫌いというより、惹かれるものなのだけども。本当に大したものだと思う。
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