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2007.08.12

NHKスペシャル「鬼太郎が見た玉砕」

 水木しげるの「総員玉砕せよ!」がNHKによってドラマ化された。マンガをそのまま映像化するのではなく、水木が体験をマンガに描いた昭和49年当時の水木とマンガで描かれた世界が交錯するといった手法がとられていた。

総員玉砕せよ!
総員玉砕せよ!

水木 しげる (著)
文庫: 363ページ
出版社: 講談社 (1995/06)

本当はマンガをそのまま映像化して欲しかったのだが、おそらく費用の関係もあるだろうし、インパクトのある後半の玉砕部分をメインにしてしまい、実際の水木も登場させることにしたのだろうと思う。おそらく世間離れした水木がそれなりに描かれているのだろう、香川の演技も悪くなかったと思うのだが、それと戦争体験は完全にはリンクするものではなく、脚本家の着眼に走ってしまったあざとさがやはり見えてしまった。

 戦争の惨めさは玉砕にあるだけではなく、戦闘のない日常にも十分あった。玉砕は異常な日常の延長にしか過ぎず、玉砕ばかりに重きを置いてしまった今回の脚本はやや失敗ではないかと思われる。しかも鬼太郎が出てくる必然性はどころあるのだろう。彼らの登場は意味不明だった。

 この玉砕をどのようなつもりでこの時代に描いたのか。少しばかり突拍子なく判らないでいる。

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