NHKスペシャル「鬼太郎が見た玉砕」
水木しげるの「総員玉砕せよ!」がNHKによってドラマ化された。マンガをそのまま映像化するのではなく、水木が体験をマンガに描いた昭和49年当時の水木とマンガで描かれた世界が交錯するといった手法がとられていた。
総員玉砕せよ! 水木 しげる (著) |
本当はマンガをそのまま映像化して欲しかったのだが、おそらく費用の関係もあるだろうし、インパクトのある後半の玉砕部分をメインにしてしまい、実際の水木も登場させることにしたのだろうと思う。おそらく世間離れした水木がそれなりに描かれているのだろう、香川の演技も悪くなかったと思うのだが、それと戦争体験は完全にはリンクするものではなく、脚本家の着眼に走ってしまったあざとさがやはり見えてしまった。
戦争の惨めさは玉砕にあるだけではなく、戦闘のない日常にも十分あった。玉砕は異常な日常の延長にしか過ぎず、玉砕ばかりに重きを置いてしまった今回の脚本はやや失敗ではないかと思われる。しかも鬼太郎が出てくる必然性はどころあるのだろう。彼らの登場は意味不明だった。
この玉砕をどのようなつもりでこの時代に描いたのか。少しばかり突拍子なく判らないでいる。
| 固定リンク
「アニメ・コミック」カテゴリの記事
- 本日入荷の積ん読素材(2010.04.12)
- ビッグコミックススペシャル 楳図パーフェクション!「わたしは真悟」(2010.01.30)
- 楳図かずお「わたしは真悟」(2010.01.31)
- 佐々部清 『夕凪の街 桜の国』(07)(2009.01.14)
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 本日入荷の積ん読素材(2015.03.30)
- スティーヴン・スピルバーグ「未知との遭遇」(77)(2014.11.01)
- アルフォンソ・キュアロン「ゼロ・グラビティ」(13)(2014.09.20)
- 訃報 米倉斉加年(2014.08.27)
- 訃報 ロビン・ウィリアムズ(2014.08.12)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント