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2007.06.06

コムスン問題

 コムスンが不正の挙げ句、事実上、廃業に追い込まれたようだが、そもそも介護保険制度は民間活用が前提にあって、介護を受ける者が自由に業者を選択することができるものであり、当然、業者においても競争ありきの参入だった。そんな訳でこういったことが起こるのは時間の問題だと思っていたが、想像以上に時間がかかったというのが正直なところである。

 あたしは役場で国民保険業務が長かったため、介護保険制度の始まる前の1年間と始ってからの1年間という時期に主にシステム屋としてこの制度に関っていた。健康保険に輪をかけた複雑な制度であり、実際の介護給付以外のところで要する費用の莫大さに呆れ返ったものだが、8年目に入っても存続しているというのは正直驚異である。

 とにかく当初から、このコムスンとニチイ学館の存在は目についていた。

 介護給付を受けようとする人に自ら業者を選んで契約してくださいと告げるのは相手がそもそも高齢であるし、なかなか辛いものがあった。また、問題があっても新しいところと契約するのが不安で我慢しているという話も幾らも耳にした。競争というと質が向上して良いように思えるのだが、これはいずれの競争相手も同規模の場合に限る。突出した巨大資本が存在する場合は絶対的にそれに飲み込まれるものである。資本主義が腐る理由がここにあるのだが、これを阻止する方法は競争を前提にする限りは存在しない筈だ。

 制度の始まる前に保健師をしていた知り合いから、一緒に会社を興そうよ、なんて誘われたものだが、そんな一攫千金を夢見るような話にハナから乗らなくてよかったと思う。そんな甘い見通しに現実を見て、悪あがきをしたのがコムスン。介護サービスを受けている人たちも現場スタッフも半端な数ではないし、元関係者としてはこの先の報道が気になる。

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