つげ義春『つげ義春全集 別巻』(94)
つげ義春は映画にもなった『無能の人』の連作の後、『別離』(87)という短編を発表してからは創作を休止している。20年にも及ぶ休止なので、実質的にはやめてしまったといった方がいいのかもしれない。『無能の人』の頃はつげを知って間もなくであり、リアルタイムで書籍を買っていた。また、以前のものも集めているようなこともしていた。
全集が出た時も最初の数冊は発売と同時に購入していたのだが、単行本と重複するということもあり、好んで書店に出向くということはなくなってしまった。つげの目新しい書籍が出ていないか久しぶりに気になって調べていると、絶版気味のこの全集に人気があり、特にエッセイ・イラストを集めた別巻が高価で取引きされていることを知る。全集の中でもいちばん最後に発売されたようで、全巻揃える前に購入を中断しているので、当然、自宅にはないものだと思っていた。
つげ義春全集 (別巻) つげ 義春 (著) |
が、本棚をざくっと眺めると間もなく片隅にあるのが目についた。初版第一刷だった。押えるところは押えていたんだなと自分に感心した。
内容的には『つげ義春とぼく』(88)と重複するところが多く、大した内容のような気はしない。エッセイも先日取り上げた『貧困旅行記』(91)の方が遥かに面白かった。
それにしても購入済の書籍をすっかり忘れてしまっていたのは初めて。
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