鬼海弘雄『印度や月山』(99)
インドには頻繁に行っていると云う鬼海弘雄のインドに纏わるフォトエッセイを入手したが参った。
印度や月山 鬼海 弘雄 (著) |
鬼海の写真の奥行が好きで、この人の写真は高く評価していのだが、文章の方はどうもダメなようだ。限りなく現在進行形に近い状態での描写が続き、思考の入る余地がないがないのだ。
文字表現は何かについての描写のみならず、理論構成の手段としても用いられることが多い。そして、行間を読むといった明確には示さないものの、匂わせるといった腹芸にも長けている。
何かについてと云う集約のないことのつらさ・底なしさを彼の文章に感じてしまって、数編読んだだけで放置してしまった。こうことは珍しく、20年程前に句点「。」がなく、延々だらだらと文章の続く野坂昭如の『火垂るの墓』の1ページ目に恐怖して以来である。
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