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2006.10.29

山下和也/叶真幹/井手三千男『ヒロシマをさがそう―原爆を見た建物』(06)

 bk1で注文していた『ヒロシマをさがそう』が届く。いつの間にかAmazonでも品切扱いでなく、通常分も表示されるよになっていた。プレミアのついたマーケットプレイスが浮いてみえる。

ヒロシマをさがそう―原爆を見た建物
ヒロシマをさがそう―原爆を見た建物

山下 和也,叶 真幹,井手 三千男(著)
単行本: 187ページ
出版社: 西田書店 (2006/09)


(画像を拡大表示)

 この本で取り上げられているのは、爆心地から5km以内で確認されている被爆建物のうち、被爆後にも何らかの形で残存した非木造建物と住宅および付属屋以外の現存する木造建物についてである。商業・企業を含め、公共的な建物のみが対象になっているようだ。

 地図を添えて紹介されているのは、現存の被爆建物と取り壊された後モニュメント等で一部保存されているもののうち59件で、その他の現存建物も48件リストアップされている。また、非木造建物で被爆後利用されなかったもの49件(被爆時に崩壊し撤去37件・被爆時形態を保持しながらも取り壊し12件)、利用されたが後にすべて取り壊されたもの48件、利用や解体時期が不詳のもの8件が被爆時の写真を添えて紹介されている。

 被爆しても崩壊しなかった建設物は広島の復興に多いに役立ったようだ。それにしても驚くのは爆心地から数100mの銀行の多くがその原形を保っているということだ。広島原爆戦災誌を読んでも金庫の中は焼けていなかったと云う記述が多く、銀行業の特異さを改めて思い知る。

 それにしても仲間の亡くなった建物をそのまま使うと云うのはどういう気分だろう。戦後10年経てばそういった記憶は薄れるだろうけど、数年のうちは生々しく残っているはずだ。

 注意しなければ気がつかない被爆建物。その土地の受けた災禍を忘れることは実はいい事なのかもしれないが、今の世の中を見て、それを手放しに喜ぶのはやはり間違っているという気もする。

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コメント

はじめまして。
広島で生まれ育った、男性です。

被爆建物は、行政の手によって毎年といっていいほど取り壊されています。

市民の声、被爆者に関係する方々の声は、統治の首長には届きません。

他方、平和を祈念する象徴の平和公園はじめその周辺の街並みは、毎年クリスマスの時期になると、汚らしい光害で埋め尽くされます。
被爆建物の平和大橋の欄干までも・・・。

抗議文を送っても、「観光のため」という返答。

まったく、ヒロシマはどこへ行ってしまうのか・・・。

投稿: よね | 2007.01.06 22:39

 原爆ドームの近くに高層マンションが建ち、景観が損われているということも問題にもなりましたね。60年も過ぎれば、何もかも忘れてしまうということなんでしょうか。平和を語りつぐというのはなかなか難しいようです。

 広島市もそうかもしれませんが、日本国政府もやっていることが怖くて仕方ないです。嫌な時代に入りつつあるような気がしてなりません。

投稿: O-Maru | 2007.01.07 00:25

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