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2006.09.19

ハンス・ベルメール『ハンス・ベルメール写真集』(84)

 押井守が影響を受けて、『イノセンス』(04)を作製したというハンス・ベルメールの球体関節人形。球体関節人形というのは関節部が球体で作られていることから、自由にポーズの取ることのできる人形である。『イノセンス』は少女型の愛玩用ロボットが暴走することから始まるが、そのオープニングタイトルが球体関節タイプのアンドロイドの生成であり、ベルメールの人形そのものの人形の見られるカット(下半身だけが上下にくっついた)もある。

イノセンス
イノセンス

 そんなベルメールの写真集は84年にリブロボートから発行されて、何版か重ねたもののやがて絶版状態になる。『イノセンス』の公開された年にブッキングから復刻発売される。この時に既に気になっていたものの、価格がやや高いこともあって、そのうちに購入しようと思いつつ、1年半近く放置していた。するとこれもすでに在庫切れになり、再び絶版状態になってしまった。復刻されたので供給量も多くなった筈だが、古本でも5000円以上の値がつき、古本を商売としている古本屋のサイトではほとんどが1万数千円という状態だ。

 ヤフオクで出品を見つけ、落札する。リブロポート刊の88年2刷で、2651円(+送料450円)だった。

ハンス・ベルメール写真集
ハンス・ベルメール写真集

 写真集の中身は、34年・49年の人形を、そして、58年の生身の女性を撮ったものである。

 球体関節人形はいずれもデフォルメされた女性外性器を持つもの。ベルメールがシュールレアリズムの作家だとは知らなかったが、これ程、グロテスクなものだとも想像していなかった。屈折したエロチシズムがあたしには痛々しくて仕方ない。生身の女性を撮ったものは、体を紐で縛られ、あたかもリアル球体人形になってしまっている。淫靡なエロでなくて、グロなエロなんだよなぁ。正直言って参ってしまった。ヤクザと倒錯の世界はあたしの想像の域を超えてしまっている。

 古い写真なので当然モノクロなのだが、昔の観光地の絵葉書にあるような着色をしたようなものもあり、なんとも云えぬ軽さを持ったものもある。『相互手淫の十字架』といったタイトルが付いたもの他数点は、女性性器に指を挿入したものやアップらしいのだが、日本公開するうえでぼかしが入っている。

 一度は見ておいても損ではないとは思うが、少なくともあたしにとっては1万いくらで手に入れるべきものではない。

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