« 「待つ」ということ | トップページ | 夏の終わり »

2006.08.27

リドリー・スコット『GLADIATOR グラディエーター』(00)

 中古屋で目に止まったのでDVDを買ってしまった。リドリー・スコットの『グラディエーター』。公開されて随分になるが、まだ観ていなかったのだ。

グラディエーター
グラディエーター

監督: リドリー・スコット
出演: ラッセル・クロウ, ホアキン・フェニックス
   コニー・ニールセン, オリバー・リード

 ローマ時代のお話でコロシアムでの格闘やらが見事に再現されてて、これはご立派だと思うのだが、中身がスカスカなんでびっくりしてしまった。

 リドリー・スコットの映画での再現力のすばらしさは、彼を一躍有名にした第2作目の『Alien エイリアン』(79)から目についていた。『エイリアン』は低予算で作られたSF映画なのだが、舞台となる宇宙船はそれまでのSF映画にないそれらしいリアルなものだった。この人は架空の質感を再現するのが好きなようで、この『グラディエーター』も下手するとスターウォーズのような軽いCG背景になってしまうところを、セットの延長として現実味のあるものに保っていた。

 今回、最悪なのは脚本で、各登場人物の思う所があってそれの揺らぎもあるはずだろうに、なんの葛藤もなく、そのままストレートに終りを迎えてしまう。よく云えば、単純明快で分かり易い、悪く云えば、あんた、馬鹿じゃないの?なのである。

 だいたいリドリーって人間を描く監督じゃないもんねぇ。人間の心情に対するウエイトの高いこの設定(シチュエーションの)は、そもそもリドリーには無理があったように思う。時代は多少遡るが同じような裏切りをベースにしたウィリアム・ワイラーの『Ben-Hur ベン・ハー』(59)の人間描写の奥の深いこと。リドリーもオリジナルストーリーではなく、『ベン・ハー』のリメークをした方が良かったのでは。

 まぁ、見せてくれる映画ではあるので、見ることだけに集中できれば吉。第73回アカデミー賞で作品賞受賞というのは、おそらく悪い冗談のはずだ。

|

« 「待つ」ということ | トップページ | 夏の終わり »

DVD」カテゴリの記事

文化・芸術」カテゴリの記事

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

辛口だねえ(^_^;)
私は好きでしたよ。分かりやすいしね(^_^;)
ハリウッド映画に以心伝心、朕が意を体せよ、
心の中を読め、行間を読め・・・・・・・。
って無理じゃないの(^_^;)

投稿: きつつき | 2006.08.29 00:01

まぁ、古代ローマというとチャールトン・ヘストンの「ベン・ハー」、キューブリック、カーク・ダグラスの「スパルタカス」があたしのベースになってしまっているから、どうしても比較してしまうんだよね。

ガワの出来がいい分、「仏つくって魂入れず」ってなところが気になってしまいます。感想を集め読みしてみると、主人公より馬鹿皇帝の方に感情移入してしまう見方も多くて、確かにその通りで、とすると、脇(敵役)が本当の主役というもの凄くいびつな作りになってしまっているんですわ。

脚本次第では凄い作品になっているだろうし、非常に勿体ないと思った次第です。

投稿: O-Maru | 2006.08.29 00:21

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/90327/11637015

この記事へのトラックバック一覧です: リドリー・スコット『GLADIATOR グラディエーター』(00):

« 「待つ」ということ | トップページ | 夏の終わり »