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2006.08.21

CHAKRA『南洋でヨイショ』(83)

 CHAKRA チャクラは非常に好きなバンドなのだが、CHAKRAの3枚目の最終アルバム『南洋でヨイショ』は今まで聴いたことがなかった。オリジナルアルバム(LP)がオークションに出品されていたので、落札する。1000円(+送料340円/2枚)。CD化ではライブ音源の「主婦と生活」「金太郎」がボーナストラックとして追加されているようだ。

南洋でヨイショ
南洋でヨイショ(83)

チャクラ






(クリックで画像を拡大表示)

  1stの『CHAKRA チャクラ』(80)に関しての詳細はこちらの記事を見ていただくとして、2ndの『さてこそ』(81)も非常に完成度が高かった。1stが矢野誠のプロデュースだったが、2ndは細野晴臣によるものである。

さてこそ
さてこそ(81)

チャクラ

 1stがキュートで可愛らしい音楽というと2ndは実験を前面に押し出しながらも、それが成功し、完成度の非常に高い音楽ということになる。とにかくこの2枚に関しては、全く異なるジャンルという作りになってしまっているが、音楽がボーカルの小川美潮を引き立てるものになっているのは間違いなく、美潮の唄いのすばらしさが実感できる。

 3rdの『南洋でヨイショ』は初のセルフプロデュースのアルバムになるが、南洋的な解放感のある音楽というコンセプトで作られているのだろうけど、先のアルバムに対して締まりのないものになってしまっているような感じがある。アルバムが作られるごとにメンバーが大幅に入れ替わり、『南洋でヨイショ』で当初のメンバーというとボーカルの小川美潮と作曲の板倉文だけになってしまっている。この二人はCHAKRAが解体された後も組んで活動を行っているが、周りが変るだけでこんなにアルバムの雰囲気が変わるものかと不思議になる。というか、先のプロデューサーに実力があったということかもしれない。

 それまで演技的な唱歌を強いられていたように思える小川がごく普通の唄いを見せる。決して悪くはないのだが、小川の唄の魅力は変化〔へんげ〕を完全にこなす中において垣間見られるように感じ、あたしとしてはやはり物足りない。

 そのものを見ると決して質が低いとは言えないのだが、それまでの作品があまりにも偉大過ぎたのでどうしても評価を下げられ気味の不幸なアルバムである。

 この落札したアルバムは〔見本盤〕の印の付いたものだった。20年程前の音楽メディアを落札すると見本盤によく出くわす。見本盤であろうとなかろうと質云々に関しては特に気にはしないのだが、見本盤自体が販促のための非売品が前提なのでやっぱり引っかかるところはある。見本盤のようなデッドストックでないと、そんなに状態のいいものがないということなのだろうか。

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