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2006.07.11

宮沢賢治『銀河鉄道の夜』(24-33)

 DVDは在庫もあったようで、一週間程前に届けられてきた。5歳の息子に見せるといたく気に入ったようで、週末とかだと2回は見せろとせがまれる。

銀河鉄道の夜(85)
銀河鉄道の夜(85)

杉井ギサブロー(監督)
別役実(脚本)
細野晴臣(音楽)

 あたしはやはり宮沢賢治の世界というのは判らない人間のようだ。繊細というか、詩的というにしてもどこか壊れているようにしか思えないのだ。理解をすっかり超えてしまっている。映画『銀河鉄道の夜』の最後は、『春と修羅』(22)の「序」の冒頭が用いられ、常田富士男が朗読している。


  わたくしといふ現象は
  假定された有機交流電燈の
  ひとつの青い照明です
  (あらゆる透明な幽霊の複合体)
  風景やみんなといっしょに
  せはしくせはしく明滅しながら
  いかにもたしかにともりつづける
  因果交流電燈の
  ひとつの青い照明です
  (ひかりはたもち、その電燈は失はれ)

  これらは二十二箇月の
  過去とかんずる方角から
  紙と鑛質インクをつらね
  (すべてわたくしと明滅し
   みんなが同時に感ずるもの)
  ここまでたもちつゞけられた
  かげとひかりのひとくさりづつ
  そのとほりの心象スケッチです


 宮沢の作品というのはまさにイメージ的にこの20行あまりに集約されるかも知れない。が、あたしにはこの域にはどうしても入り込めないのである。

 細野晴臣による音楽は確かに素晴らしいのだが、あらためて映画を観直すと音楽と映像が完全に乖離しているとも取れなくはない。映画において音楽は決して劇伴である必要はないと思うのだけども、実は双方共に微妙に歩み寄れていない作品であるという印象もぬぐい去れない。細野の音楽は映画に先行して作られているような感じがあるのだが、あまりにも独立してて、映像を受け入れないところがどうしてもある。

銀河鉄道の夜(85)
銀河鉄道の夜(85)

細野晴臣


(クリックで拡大表示)

 『銀河鉄道の夜』にはタイタニックのエピソードがあるが、当時からすでに伝説の事故であったということに驚かされる。タイタニックの海難は1912年4月のことで、1896年8月生まれの宮沢が16歳の時に起ったものだが、それから12年後に執筆開始される物語に挿入されることになる。生前に公開されなかったとはいえ、実際の事故がモチーフのひとつとなったのは非常に珍しいことだと思う。(ウィキペディアによるとタイタニックの海難事故は事故から1ヶ月後には米国で映画化されているようだが。)

 宮沢賢治についてふと思う、不思議なこと。宮沢賢治は宮沢と姓だけで呼ばれることは少なくて、たいてい「宮沢賢治」とフルネームで呼ばれるような印象があるんですけど、これはどうしてでしょう。

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