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2006.06.24

クロード・ランズマン『SHOAH』(85)

 SHOAHとはヘブライ語で「絶滅」を意味する。これはナチスの「ユダヤ人問題の最終解決」によってもたらされたことを指し示す。我々にはTVドラマのタイトルにもなったギリシャ語を語源とする「ホロコースト」がより馴染みがあるが、この言葉は元来ユダヤ教の儀式で捧げられる供物を意味し、ニュアンス的には明らかに不適切である。そこで監督のランズマンは「絶滅」そのものを指し示すSHOAH<ショアー>を用いるに至る。

 3月の始めにオークションで落札(送料込17500円)して以来、積ん読気味だった。完全な積ん読ではなく、1時間ばかり観て、その特異さのあげくに積ん読せざるを得なかったのだ。

「SHOAH ショア」DVD-BOX ~虐殺の証言~
「SHOAH ショア」DVD-BOX ~虐殺の証言~

クロード ランズマン 監督

 この作品は1部2部と分かれるものの、計9時間の長尺であり、すべてインタビューのみで構成されている。「ユダヤ人問題の最終解決」のために収容所で起った事柄が、生き延びることができたユダヤ人、収容所の近辺の住民、収容所を運営していた元SS等のインタビューで描かれる。これらのインタビューは、ヘブライ語、ポーランド語、英語、ドイツ語の各言語で行われるのだが、フランス人監督のランズマンは英語、ドイツ語は話せるものの、ヘブライ語、ポーランド語は話すことができない。通訳をつけてインタビューが行われるのだが、ありのままを撮るということで、通訳のやりとりもそのまま編集されず流される。実をいうとその間が非常に長く、観ることに疲れてしまうのだ。

 ということで、この映画をすべてテクスト化した書籍をオークションで落札(1000円(+送料340円))する。

SHOAH ショアー
SHOAH ショアー

クロード ランズマン





(クリックで拡大表示)

 何について話されているのかというのは文字の方が理解しやすい。ページ数は500ページ近くあるのだが、素人のインタビューを起こしているだけなので、長い語りはなく、また、字幕のように細切れに記述されているためにページが増えているだけである。

 その内容については、再び。いま、ようやく第一部を見終えたばかりだから。

 この映画は第一部がWOWOWかNHK衛星で7、8年前に放送されたことがある。続きがあるというのを知っていたが、あたしが見逃したのか、プログラムに乗っからなかったのか、TVでは観ることができず、とても悔しい思いをしたものだ。

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