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2006.06.11

東雅夫編『文藝百物語』(97)

 一緒に注文した加門七海の『怪談徒然草』は発注後在庫なしでキャンセルされたにもかかわらず、ごく普通に届けられたのが東雅夫編『文藝百物語』だった。

文藝百物語
文藝百物語

 タイトルにもあるように百物語なのだが、東京の古びた旅館でホラー作家、井上雅彦、加門七海、菊地秀行、篠田節子、霜島ケイ、竹内義和、田中文雄、森真沙子の8人によって実際に行われた百物語を収録したもの。文藝と冠がついているのがよく判らない。一応、作家によるものだからか?

 旅館では電話の使用を始めとして、部屋からの出入りを一切禁じることにより結界を張ったという。部屋の四隅には盛塩。本書では99話の怪談が収録されているが、実際には130程の怪談が語られたと云う。それで、異変が起ったかというと何事もなく、書籍が発行されてからも(文庫本化あとがきによる)参加者に異常はなかったらしい。まぁ、健全な百物語なのである。

 ということで、結論からいうと各話はそんなには怖くないし、8人の参加者が適当に話を序でいくものだから、構成的な面白さも特にはない。どちらかと言えば、ちゃんちゃんと云う印象である。

 しかし、文庫本化される前のこの書籍は伝説化していたと云う。というのは、この中の霜島ケイによる「三角屋敷の怪」という話が、本人も住んだことのある東京某所の三角マンションにかかわるもので、現代の呪術実験が間違いなく、しかも悪意を込めて行われているという、ちょっと薄ら寒くなるような内容なのだ。家相の悪い三角地に三角のビルを建て、そこに人を住まわして、屋上で術を行い、地下に何かを飼っているという。誰が何を目的でそんなことをしているのか判らないが、それに気づいた人間にもいろいろ攻撃をしかけている。

 この話をもっと詳しく語ったのが、加門七海の『怪談徒然草』の最終章でもある。加門は霜島がそこに住居していた当時、遊びに来るように招かれたことから、そのマンションに係わることになるのだが、その語りから、企みをしている人間の執拗さがうかがわれ、怖い。しかも、直接的な形で関ってくるのではなく、術を使っているようでなおさら不気味である。真剣に怖いとは思わないけども、世の中にはいろいろなことがあるのだな、とつくづく思う。

 一番怖かった本はやはり、新耳袋の第1夜と第2夜かな。さすがにこの2冊だけは夜に読む気にはならない。

新耳袋 現代百物語〈第1夜)
新耳袋 現代百物語〈第1夜)


新耳袋 現代百物語〈第2夜)
新耳袋 現代百物語〈第2夜)

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