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2006.05.29

学生と革カバン

 BREE ブリーのELCH エルクを使い始めてひと月。それまではユニクロの2000円のディバッグを6年くらい使ってて、違和感があったのが、大分、板についてきた。

 革カバンというと非常に大層な気もするが、よくよく考えてみると、小学校、高校は間違いなく革カバンだった。

 小学校は言うまでもなく、ランドセル。あたしもごく普通にランドセルを使っていたが、3年生の時に新設校に移った際、ナップサックというナイロンリュックを使用するように指導された。まぁ、ナイロンなのでとにかく軽かった。ナイロンが裂けてダメになるまで使い、小学校最後の半年に再びランドセルが復活した。

 中学校は白地の帆布の掛けカバン。これが非常にダサいカバンで、カバンには大きく校章なんかか入ってたりする。今もあれを使っているのだろうか。雨の日、傘を持ってなかったりするとカバンの中身、全部がびしょ濡れになっていた。

 高校は革カバン復活。黒い学生カバン。ランドセルは確か牛革ものを買ってもらった覚えがあるのだが、こちらは合皮のクラリーノだった。本革だとどのくらいしたのだろう。おそらく馬鹿にならない額だと思う。今使っているエルクなんて、あの学生カバンをもっと簡単にしたつくり。このページを見てもらえれば判るのだけど、学生カバンは本当に細かく作られている。

 まぁ、本革のいいカバンを持っている奴に限って、中の芯(マチ)をぜんぶ抜いて、表と裏の革だけを合わせてしまってペッチャンコにしてたものだ。さらに表に蝋を塗ってテカテカにしてたような気もする。あたしはその正反対で、英語のある日なんぞ(ほぼ毎日だが)、コンサイス英和、なんちゃら英和中辞典、なんちゃらイデオム辞典、ついでにコンサイス和英辞典という感じで、辞書を持ち歩き、とうぜん、国語のある日なんぞも、数冊の国語辞典を持っていた。20cmの厚さの学生カバン+手持ちカバンということで、自転車通学ならではだった。自転車の荷台にカバンをくくるのも面倒なので、横につける横カゴを愛用していた。カバンをそのまま上から落せば収納出来たから実に楽だった。

 そんなことを思い出して、今はどうなのかと見わたすと、少なくともあの黒い学生カバンというのは今はまったく使われていないことに気づき、びっくりする。学生カバンって、高校生の象徴だったはずなんだけど、リュックやらスポーツバッグみたいなのばかりになってしまっている。通勤途中にいくら目を凝らしても、学生カバンを発見することはできなかった。

 親の負担を減らすためか、そもそも学生カバンが格好悪いと云うのか。あたしたちが愛用していたものが姿を消してしまうと云うのは淋しいものである。

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