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2006.02.11

内山英明『JAPAN UNDERGROUND』(00)/
都築響一『TOKYO STYLE(東京スタイル)』(93)

 復刊ドットコムでの投票もあって、増刷になった写真集。日本国内の61箇所の地下施設を7年間をかけて撮り集めたもの。

JAPAN UNDERGROUND
JAPAN UNDERGROUND

内山 英明 (著)

大型本: 159 p ; サイズ(cm): 26
出版社: アスペクト ; ISBN: 4757207743
(2000/08)

 結構期待していたんですが、あたしとしては期待はずれかな。写真があまりにもフォトジェニックでない。写真そのものに力強さがないんだね。やや乱雑な照明の関係で彩りが鮮やかなのだけど、それがリバーサルフィルムによる色調整の不完全さにあやかったものなのか、実際にそういう感じなのかよく判らない。リバーサルフィルムは自然光の太陽光では美しく色を再現できるけど、人工灯下ではフィルターワークをしっかりないと色が狂ってくる。色だけが目について、フォルム(構図を含めて)の美しさはあまり感じられない。そういう意味ではもの凄くがっかり。

 文末に3行程度の200文字くらいの各施設説明があるのだけど、写真とこのキャプションをもっと詳しく載せた方が良かったのではないかと思う。写真だけではあまりにも弱すぎる。

TOKYO STYLE そういう意味では、93年の都築響一の『TOKYO STYLE(東京スタイル)』が絶妙なバランスを保っていた。

 都築は元もと写真家ではなくフリーの編集者だ。この写真集はTOKYOのごく普通の生活を収めたものだが、それぞれの写真にキャプション(日英並列表記)がつけられている。事細かな説明ではなく、生活の行間を読むようなもの。写真とそのキャプションが上手く絡みあって、妙なリアリティが生じてくる。参考までに、各章のタイトル、そして、各ライフの日本語キャプションタイトルを紹介しようと思う。

  □BEAUTY IN CHAOS
  ・アーティスティックな共棲
  ・キャンパス・ライフの真実
  ・ラップのように散らかせ
  ・趣味生活の光と影
  ・音楽戦士の休息
  ・テクノ・カウボーイの野営地
  ・都心の小さな宝物箱
  ・情念の精巣
  ・三畳間のロック・ラウンジ
  ・線路脇のベース・キャンプ
  ・陽光のカプセル
  ・家事からの解放、その後
  □THE FANCY FETISH
  ・ホーム・スイート・ホーム
  ・少女の領分
  ・尼寺の午後の安らぎ
  ・整理、これ快感
  ・ラクロワが教えてくれた
  ・路地裏の愛の巣
  ・1万8000円の6畳間シアター
  ・甘い生活(ドルチェ・ヴィータ)・下町風
  ・こだわりキュートネス
  ・アールデコと江戸が出会うとき
  ・くつろぎは小物から
  ・休息のバックステージ
  ・子供のころに還りたい
  ・はじめてのひとり暮らしはチープ・ファンシーで
  □ARTSY PADS
  ・工房の24時間
  ・男と女と帽子とウサギ
  ・クラフトワーク・カプセル
  ・サバイバル・シック
  ・陋屋の第二の人生
  ・幼稚園がアトリエ
  ・蔵書の重圧
  ・部屋すなわち作風をあらわす
  ・暗室で見る夢
  □THE TRADITIONAL TOUCH
  ・晴れた日には現場が見える
  ・インテリアよりインテリジェンス
  ・ちゃぶ台のなごみにはまる
  ・陽だまりで針仕事
  ・ハード・ワークの合間に
  ・夢は夜ひらく
  ・なければ作る、これが基本
  ・昭和30年代型モダン・ライフ
  □MONOMANIACS
  ・豊饒なる方丈
  ・コレクション中心願望
  ・ワンルーム前線基地
  ・役者と力士と水割りと
  ・生活というゲーム
  ・サーファーズ・パラダイス
  ・24時間オーヴァードライヴ
  ・ホモ・メカニクス
  ・ボロに住んでもビート・ゴーズ・オン
  ・本が壁から生えてくる
  □KIDDIE KINGDOMS
  ・普通がいちばん
  ・ラスタファリアン・ニューファミリー
  ・家だって壊れるまで使い切る
  ・東京都アメリカ村
  ・整理整頓のサバイバル
  ・ティーンズ・ライフ拝見
  □INERTIAL LIVING
  ・料理嫌いでよかった
  ・床上整理で省家具生活
  ・通勤地獄よりワンルーム生活
  ・ミュージック・ライフの哲学
  ・ホビイストの休憩室
  ・使わないのがきれいの秘訣?
  ・独身寮の週末
  ・安楽人生のすすめ
  ・押し入れも床のうち
  ・ビル街のスペース・キャンプ
  ・住宅展示場の住み心地
  ・改造はしない、足していく
  ・借りつづければ安くなる
  □HERMITAGES
  ・プログラムされた箱
  ・線路脇の書斎
  ・画布の脇で見る夢は
  ・一時休息、すぐに出発
  ・屋根裏のインターナショナル・スタイル
  ・オトナの寮生活
  ・室内生活礼賛
  ・鉢巻をしめた隠者
  ・宴会用個室
  ・下宿屋という小宇宙

 385pの本に82ものライフを紹介していると思っていなくて、抜き書きしているうちにうんざりしてしまったのだけど、まぁ、これを眺めているだけでも、充分に面白い。

 手元にある『TOKYO STYLE』は93年発売当時に購入した京都書院発行のもので定価12,000円したが、その後、6,800円の普及版というのも出版されたようだ。いずれも現在は絶版で、現行のものとしては文庫版にされたものしかない。(オリジナル版・普及版は運が良ければ京都書院のサイト経由で入手の可能性も)

TOKYO STYLE
TOKYO STYLE

都築 響一 (著)

文庫: 433 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 筑摩書房 ; ISBN: 4480038094
(2003/03)

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